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どうぶつ

動物の保護活動のため電撃引退のトップ選手 一般家庭以外の譲渡先を模索する理由と課題とは

公開日:  /  更新日:

著者:峯田 淳

イベントを通じて先入観を払拭 「イメージが変わりました!」の声も

「わんにゃんフェスティバル」で保護活動について話す高木さん【写真提供:高木真備】
「わんにゃんフェスティバル」で保護活動について話す高木さん【写真提供:高木真備】

 そのほかに高木さんが行っているのは、競輪場やオートレース場など人が集まる場所での、保護動物の譲渡会活動です。高木さんは「わんにゃんフェスティバル」というイベントを、これまで20回以上やってきました。まず必要なのは場所の使用許可をお願いするほか、どこの団体さんに声をかけるかリサーチすること。そしてなにより犬猫たちが逃げ出さないよう、サークルやケージを使って細心の注意を払うことです。

「競輪場側とつながりのある団体さんがいた場合は、そこから広げていくこともありますが、ない場合は私から地域で保護活動を行っている団体に声をかけ、一緒に譲渡会などを行う形を取っています。

 団体さんに話を伺うと、譲渡会を行うスペースがなくて困っている場合があることがわかり、競輪場などの広い敷地を活かすことができたらと考えました。逆に、競輪場などの施設としても、ファミリー層や、まだ敷地内に入ったことのない方に来ていただけるチャンスになればいいなと……。双方にとって、いい効果があればと思っています」

昨年5月に平塚競輪場にて、動物愛護運動を行っている放送作家の山田美保子さんと【写真:峯田淳】
昨年5月に平塚競輪場にて、動物愛護運動を行っている放送作家の山田美保子さんと【写真:峯田淳】

 競輪場としては、高木さんはガールズケイリンで活躍した有名選手だけに、知名度があり、なにより信頼できます。レース目的で来場する人に、保護活動を知ってもらうことができるほか、譲渡会に行ったことがない人にも、里親募集の声かけをすることができます。そして動物が好きで来場する人に、レースを楽しんでもらうこともできます。会場が広くて来場者も多く、いわばwin-win。一石二鳥です。ただし、こんなケースもあります。

「声をかけられそうな団体さんが、その地域にない場合はNPO法人みなしご救援隊犬猫譲渡センターの東京支部(自由が丘)と、広島本部(広島市と湯来町に施設あり)が協力してくださっています。同センターの場合は、ふれあい会&啓発イベントとして実施するので、気になる子がいた場合にはセンターまで来ていただくようにご案内しています。

 譲渡会でなくても、実際に会っていただくことで、『保護されている子は懐かないのでは? 飼いにくいのでは?』という先入観をお持ちの方が、『イメージが変わりました!』と言ってくださることも多くて、とてもうれしいです。

 人が苦手な子もいれば、大好きな子もいる……。私たち人間と同じように、いろんな性格の子がいることを知ってもらいたいです。ふれあい会の場合、猫はそういった環境に弱く、負担が大きくなるのでパンフレットなどでの案内になります。犬猫の体調管理を第一にすることは、絶対条件ですよね」