Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

知っているようで知らない チョコレートができるまで 沖縄発チョコレートメーカーに聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

カカオ豆は焙煎しだいでさまざまな風味に変化

沖縄で収穫したカカオポッドを持つ、オキナワカカオ代表の川合径さん【写真:Hint-Pot編集部】
沖縄で収穫したカカオポッドを持つ、オキナワカカオ代表の川合径さん【写真:Hint-Pot編集部】

 乾燥させたカカオ豆を「選別」し、「焙煎」します。この焙煎作業は、カカオ豆の味を引き出すために最も重要な工程です。熱のかけ方ひとつでフルーティになったり、ナッティになったりと味に変化が起こります。

 その後はカカオ豆を「粉砕」する作業になります。カカオ豆は種皮(殻)と胚乳に分けられます。殻は「ハスク」と呼ばれ、食べられません。一方、胚乳の部分は「カカオニブ」と呼ばれ、チョコレートになる部分です。 カカオニブはナッツのような食感で、ヨーグルトにかけたり料理に混ぜたりと、そのまま食べることができます。近年、スーパーフードとしても注目されており、目にしたり、食べたりしたことがある人もいるでしょう。

 カカオニブの成分は半分以上が油脂分で、挽いていくと、油脂が出てきてペースト状に変貌していきます。これがチョコレートの原料「カカオマス」です。ドロドロと液体化してきているタイミングで砂糖などを混ぜ、なめらかなチョコレートが作られます。

チョコレートが白くなるブルーム現象

ハスク(上)とカカオニブ【写真:Hint-Pot編集部】
ハスク(上)とカカオニブ【写真:Hint-Pot編集部】

 一般的なチョコレート店では、「調温」と呼ばれるテンパリングを行っていることが多いといいます。

 テンパリングでは、温度を上げたり下げたりしながらチョコレートの結晶を均一にすることで、「ブルーム」というチョコレートが白くなる現象を防ぎます。ブルーム現象が起こったチョコレートは食べても問題ありませんが、見た目以外に香りや風味が損なわれてしまうことも。光沢の美しい、なめらかな口当たりのチョコレートを作るには欠かせない作業です。

 テンパリングを終えたチョコレートを成形して完成。ようやく、私たちが口にできるチョコレートとして店頭に並ぶことになります。

「チョコレートには、関わった人が笑顔になる魅力があるんですよね。難しい顔をして食べるのは専門家くらいです(笑)」

 そう笑う川合さん。オキナワカカオでは、カカオ豆を粉砕するところから作るチョコレート作りワークショップも開催しているそうです。

(Hint-Pot編集部)