どうぶつ
元保護ねこが看板息子たち 全盲の「ラク」、兄弟の「ルカ」と暮らすサロン経営の女性が2匹から教わったこと
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ねことの暮らしのアイデアが詰まった「猫ねこ部」がお届けするシリーズ「あなたの街の看板猫」。富士山の麓にある一軒家サロン「ソラの家」には、2匹の仲良しねこがいます。全盲のねこ「ラク」くんとその兄弟ねこ「ルカ」くん。前回は、壮絶な環境から保護されて「ソラの家」のオーナーの園子さんに引き取られたエピソードを紹介しました.今回は園子さんが脱サラして現在の仕事を始めるまでと、ねこ達との触れ合いを聞きました。
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母には事後報告だった転職
2015年12月にリトリートメントサロン、「ソラの家」をオープンした園子さん。
20代の初めは、地元のタウン情報誌の編集として働いていましたが、たまたま書店で立ち読みをしていて、パッと開いたページがリフレクソロジーのページだったのが、転職のきっかけだったそう。
「学校があるんだぁ、ちょっと資料取り寄せてみようかなと。仕事は楽しかったですし、すごくいい環境だったんですけど、そろそろ手に職をつけたいなと思って」
それが20代半ばの頃。園子さんが、自然治癒力というものに興味を持っていたのも、背中を押した大きな要因でした。
「私達には平等に与えられているはずなのに、その力を使いこなしてないんじゃないかな。自分のなかにある使っていない力を試してみたい」
誰に言うわけでもないけれど、そんな想いをずっと持っていたそうで、そんな園子さんだからこそ、“人間の自然治癒力を高める”と言われているリフレクソロジーにとても心惹かれました。
「でも、昔気質で厳しい親に言えば反対されるのが分かっていたので……」と内緒で週末だけ銀座にある学校まで通うことに。
半年ほど通学し仕事にしようと決めた園子さんは、勤めていた会社に辞表を提出。
「もう淡々と準備を進め、転居先も決め、すべて決め終わってから、母の枕元にスーッと行って、お母さんお話がありますと(笑)事後報告ですね」
こうして畑違いの仕事に転職した園子さん。現在、この仕事を始めてから20年ほどになるといいます。最初は東京や横浜など首都圏で働き、2005年に実家のある山梨県に帰ってきました。
「実家の一室でのんびりやろうかな、なんて思っていたのですが、昔いた会社の大先輩が若女将を務めている河口湖のホテルからお声がけいただき、丸9年働きました。そろそろ自分のやりたいことをやっていきたいなって思って、そこを引き継いで『ソラの家』を始めました」