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どうぶつ

元保護ねこが看板息子たち 全盲の「ラク」、兄弟の「ルカ」と暮らすサロン経営の女性が2匹から教わったこと

公開日:  /  更新日:

著者:猫ねこ部

園子さんとルカくん。温かな光に包まれるソラの家で【写真:猫ねこ部】
園子さんとルカくん。温かな光に包まれるソラの家で【写真:猫ねこ部】

存在そのものが愛おしい

 こうして念願叶って始まった園子さんのサロンには、現在3歳になる2匹の大猫コンビ「ルカ」くんと「ラク」くんがいます。見ての通りとっても大きく、大猫ファンにはたまらないフォルムをしています。

 彼らの「存在そのものがたまらなく愛おしい」と園子さん。

「ずっと『相手して~』って寄ってくるわけでもなく……。かといって私が遊んでほしいときには全然遊んでくれませんが、その絶妙な距離感が私にはとてもあっています」

 園子さんのサロンには、いろんなお客さんが来ますが、今まで一度も爪を立てたり、ギャーギャー鳴くということもないそう。

「それはたぶん保護してくださったときに、『大丈夫! 安心だよ!』って、(ねこねっと山中湖の人達が)ねこたちに教えてくださったんだと思います」

 こうしてすっかり園子さんとの生活になじんでいる2匹ですが、「ルカラク」がやってきたことで、園子さんの中で大きく変化したこともあったそうです。

「よくペットを飼っている方が『お母さんがね』とか『お父さんがね』って話しかけるじゃないですか。自分はそういうタイプじゃないだろうなって思ってたんですよ。でも2匹が来た途端、いきなり自分のことを『お母さんが……』って言ってることにすごくびっくりしてしまって。私、そんなキャラだったっけみたいな(笑)」

「埋もれていた母性がいきなり掘り起こされたというか、本当にお母さんになっちゃった感覚があったんですよね。自分のなかにそういうチャネルがあったんだっていうのがすごく新鮮で面白くて」

 自分のなかの“何か”が、一瞬にして崩されたことにとても驚きがあったといいます。

「“人間とねこ”という関係じゃなく、“生なるものの家族”というか。形は違うけれど心の中に持ってるものは同じというか。本当に私産んだんじゃないか(笑)といった感覚も感じたりしました」