食
羊羹と水羊羹は何が違う? 老舗和菓子店が教える違いは「水分量」
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:望月 洋平(株式会社田子の月)
江戸時代に登場した寒天を材料にした和菓子とは
羊羹は、古くから日本人に親しまれてきた和菓子ですが、そもそもいつ頃から作られるようになったのでしょうか。
「羊羹は、鎌倉時代の後期頃に中国大陸から伝わった、羊の肉で作った料理が起源だといわれています。しかし、当時の日本は肉食文化ではなかったため、小豆を肉に代用し、小麦粉やくず粉を混ぜ、蒸して固めて作っていたそうです。それが、江戸時代に寒天が登場したことで、現在の甘味に進化していきました」
また、羊羹や水羊羹の材料でもある寒天ですが、寒天を材料にした和菓子には寒天ゼリーもあります。その違いは味。寒天ゼリーを作る過程であんこを入れると、羊羹や水羊羹になるそうです。
ほかにも、寒天は茶席などで使われる「寒氷(かんごおり)」や上生菓子の「錦玉羹(きんぎょくかん)」にも使われており、寒天の中に涼を閉じ込めた世界観は、暑い夏に涼しさを感じさせます。
今年の夏も暑くなりそうです。古くから日本人に親しまれてきた水羊羹などの和菓子で、つるんとおいしく涼を感じたいですね。
◇株式会社田子の月
富士山の麓、静岡県富士市に本社をかまえる老舗和菓子店。社名であり、看板商品である「御菓子庵 田子の月」は、小倉百人一首の和歌「田子の浦に うち出てみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」(山部赤人)で知られる「田子の浦」(駿河湾西海岸を指す名称)の川面に映る月の美しさに感動したことから名づけられた。
富士山の麓、静岡県富士市に本社をかまえる老舗和菓子店。社名であり、看板商品である「御菓子庵 田子の月」は、小倉百人一首の和歌「田子の浦に うち出てみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」(山部赤人)で知られる「田子の浦」(駿河湾西海岸を指す名称)の川面に映る月の美しさに感動したことから名づけられた。
(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)