からだ・美容
冷房が苦手な人が厚着をしてでもつけるべき理由 エアコンには冷たいものを飲むよりも冷却効果が 医師が解説
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教えてくれた人:谷口 英喜
エアコンが苦手なら着込むべし 「とにかくエアコンをつけてください!」
熱中症にならないためにも、夏は適切にエアコンを使用することが必要ですが、風が冷たくて苦手な人もいるでしょう。かといって、エアコンをつけながら厚着をしては意味がないと思っていませんか?
「熱中症からいのちを守る」(評言社刊)の著者である、医師の谷口英喜先生によると、実は寒さ対策のために冬の服装をしたとしても、エアコンで部屋を冷やすことが大切だといいます。その理由は、エアコンの風に当たるのではなく、冷たい空気を吸うことに意味があるからです。
冷たい空気を吸うと、実は冷たいものを飲むよりも体温の冷却効果があります。麻酔科医である谷口先生は、そのことを日々実感しているそう。
人の肺には、肺胞という風船のような組織がたくさんあります。その肺胞を広げると、なんとテニスコート半面分の面積にもなるそうです。それほど面積のある肺胞に、たくさんの血管が接しています。そのため、そこに冷たい空気を送ることで体温を下げることができるのです。
谷口先生は「たくさん着込んでも良いですから、とにかくエアコンをつけてください!」と、エアコンの重要性を強調します。
すでに暑さを感じる今日この頃。今のうちから暑さに強い体作りを心がけ、真夏には元気に過ごせるようにしたいですね。また、正しい水分補給の仕方をしっかりと押さえて、万が一のことも考えて慎重に行動しましょう。
(Hint-Pot編集部)
谷口 英喜(たにぐち・ひでき)
医師、済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長。麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理のエキスパート。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。2024年5月に新刊「熱中症からいのちを守る」(評言社刊)が刊行。そのほかの著書に「いのちを守る水分補給~熱中症・脱水症はこうして防ぐ」(評言社刊)などがある。