Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

メロンの名前は不思議がいっぱい イメージとはかけ離れた マスク、プリンス、アンデスの由来とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ジューシーな味わいが人気のメロン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ジューシーな味わいが人気のメロン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 これから初夏にかけて旬を迎えるメロン。現在、日本各地でさまざまな品種が栽培されており、代表的なところではマスクメロン、プリンスメロン、アンデスメロンなどの呼び名があります。それぞれの名の由来はなんなのでしょうか。メロンにまつわる意外な豆知識について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

古くから食べられていたメロン 日本独自の進化でさまざまな品種が誕生

「メロン」の語源は、ギリシャ語で「リンゴのようなウリ(melopepon)」。日本では縄文、弥生時代の遺跡からマクワウリやシロウリといった「東洋系」のメロンの種子が発掘されており、古くから食されていたことが分かります。

 現在のように、甘みが強く網目がある「西洋系」メロンは、明治時代に日本へ入ってきました。その後品種改良が進み、表面に網目のないノーネットメロン、網目があるネットメロン、果肉の色が青肉か赤肉かなど、日本独自のさまざまなメロンがあります。その名の由来が、意外なものが多いのもおもしろいところ。代表的なメロン3つを紹介しましょう。

マスクメロンのマスクの由来は? 香りに関係があった

「マスクメロン」は、強い香りをもつメロンの総称で高級感あふれるメロンの総称です。この「マスク」は、網目がかかった見た目から「マスク(mask)」が由来していると思いがちですが、香水に使われる「麝香(じゃこう)」を表す「musk(ムスク)」がなまったものです。別名をジャコウウリと言います。

 購入してきたメロンがまだ完熟していない場合は、追熟が必要です。熟すまでは、冷蔵庫ではなく常温で保存するのがおいしく食べるポイントに。

プリンスメロンのプリンスの由来 王子様とは無関係?

ツルンとした表面が特徴のプリンスメロン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ツルンとした表面が特徴のプリンスメロン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 網目のないツルンとした表面が特徴のプリンスメロン。日本の苗木、種子販売の会社が開発したもので、1960年代に爆発的に広まった品種です。当時、西洋系のメロンといえば高級なマスクメロンしかなく、庶民には手が届かない存在でした。しかし、プリンスメロンの登場で、安価でおいしいメロンが出回るようになったのです。

「プリンス」と名がついていることから、王室や皇室が名の由来に関係しているメロンと思われがちですが、そうではありません。発表当時に試食して太鼓判をもらった青果商グループの名前が「プリンス会」で、その名に由来しているとか。現在は手頃な価格で網目のあるメロンの登場により、生産が減っているそうですが、子どもの頃によく食べたと懐かしさを感じる人も多いのでは。