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メロンの名前は不思議がいっぱい イメージとはかけ離れた マスク、プリンス、アンデスの由来とは
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教えてくれた人:和漢 歩実
アンデスメロンは日本生まれ 南米アンデスが由来ではない
網目があるメロンの中でも、比較的手ごろな価格で売られているアンデスメロン。「アンデス」という言葉から、南米のアンデス地方で生まれた品種だと思いがちですが、1970年代後半にプリンスメロンと同じ会社が開発した日本産の品種です。病気にも強く、ハウス栽培ができることから、安定して供給できる一般向けの甘味が強いメロンとして、あっという間に広まりました。
アンデスメロンの「アンデス」は、「作って安心」「売って安心」「買って安心」の3拍子揃った「アンシンデス」から「シン」を取って「アンデス」に縮めたものといわれています。
濃厚な甘味が特徴のメロン 意外にも低カロリー
メロンはとろけるような食感で濃厚な甘さがあることから、高カロリーと思いがちなのですが、約9割が水分ですので、決してエネルギーは高くはありません。ほぼ水分ではありますが、カリウムやビタミンC、葉酸など体に必要な栄養素が多く含まれていることでも知られています。
たとえば、日本食品標準成分表(2020年版)八訂に基づいて、可食部100グラムのリンゴと露地メロンで比較すると、リンゴが53キロカロリーに対して、メロンは45キロカロリーです。また、糖質となる炭水化物は、リンゴが15.5グラムに対してメロンは10.4グラムで、メロンのほうが少ない数字になっています。一方、カリウムで比較すれば、リンゴが120ミリグラムに対して、メロンは350ミリグラムです。
名の由来に意外性のある品種が多いメロンですが、栄養面でも意外に低カロリー。余分な水分を排出してくれる働きのあるカリウムが多いので、蒸し暑くむくみやすいこれからの季節に、食べておきたいフルーツです。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾