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鮮魚コーナーで見る「生食用」と「加熱用」は何が違う? 食べるときや保存で気をつけることを聞いた
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スーパーマーケットの鮮魚コーナーに行くと、「生食用」と「加熱用」というシールが貼り分けられたパッケージを見かけます。見た目は同じ魚介ですが、いったい何が異なるのでしょうか。広島県で魚市場を運営している株式会社クラハシ経営戦略部次長・近藤忠史さん(品質管理管掌)に伺いました。
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店頭で見かける「生食用」と「加熱用」の違いは新鮮さ?
スーパーマーケットで見かける「生食用」と「加熱用」に分けられた魚介。獲れたての新鮮なものが生食用で、少し経ったものが加熱用になっていると思っていませんか。しかし、近藤さんは「新鮮さの違いではありません」といいます。
生魚などの場合は明確な基準がないことが多いのですが、例えばカキ処”の広島県では、生食用として出荷して良いカキと、そうでないカキに分けられているのだとか。
「生食用のカキは、生活排水や工場廃水が流れ込んでおらず、水質検査などの各種検査をパスしている清浄海域で育成されたものに限られています。出荷前に食中毒菌、一般生菌、ウイルスなどさまざまな検査を行い、菌などの活性が落ち着くであろう低水温になる12月頃から出荷されますが、産地によっては例えば個人責任で生食用として出荷していないところもあります」
カキを生食用として出荷する場合には、鮮度はもちろんですが、細かくいうと、下記の5つの規定が設けられています。
1. 細菌数が検体1gにつき5万以下
2. 大腸菌が検体100gにつき230以下
3. 腸炎ビブリオは検体1gにつき100以下
4. 牡蠣は海水100mlあたり大腸菌群最確数が70以下の海域で採取されたもの
5. 上記の条件と同等の海水、もしくは塩分濃度3%の人工海水を用いて浄化したもの
これらをクリアしたものが、「生食用」のカキとして店頭に並び、それ以外のものは「加熱用」となりますが、「加熱用」のものを生で食べるのはよくないのでしょうか。
加熱用の魚介を生食したらどうなる?
「加熱用として販売されているものは、生食の要件を満たしているものではありませんので、わざわざ生で食べて食中毒になるかもしれないリスクを冒す必要はありません。ただ、どうしても生で食べたいというのであれば当然、自己責任です。もちろん、生食用として販売されているものを、調理して食べても何ら問題はありません」
もし、間違ってしまったり、加熱用と知らずに生で食べてしまったりした場合は、どうなるのでしょうか。
「たとえば、生食用という表示がないカキを生で食べてしまった場合は、ノロウイルスや腸炎ビブリオなど、食中毒のリスクが生じます。間違って食べてしまったときに、少しでも体調不良を感じたら、速やかに病院で診療してもらうことをおすすめします。なお、受診する際には、事前に電話連絡して、治療が可能か否かなどを確認してください(飛び込みの場合、病院によっては断られることがあります)。また、少しでも症状が現れた場合は、手洗いなどの消毒はもちろん、マスク着用などを徹底するようにしましょう。とくにノロウイルスの場合は経口以外の感染がありますので、注意が必要です。加熱用を生食した場合には、必ず食中毒のリスクが生じますので、表示をきちん確認する習慣をつけてください」