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ピーマンの種は食べたほうがいい? 豊富に含まれる栄養素とは 栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
通年出回っているピーマンですが、おいしい旬は夏です。独特な香りと食感が特徴で、炒め物や肉詰めなどにして食べる人も多いのでは。ピーマンは調理する際に種やワタを取るのが一般的ですが、食べても問題ないのでしょうか? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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ピーマンはビタミンCが豊富 ミカンの2倍
旬の時期は、比較的安定した価格で手に入れることができるピーマン。中南米原産の野菜で、トウガラシの仲間です。日本に伝わったのは明治初期といわれています。家庭で食べられるようになったのは昭和30年代以降。食べやすい品種の改良も進み、日本の食卓に広まっていきました。
緑色のピーマンは未熟なうちに収穫したものですが、栄養がとても豊富です。コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCをたっぷりと含み、なんとミカンの2倍、トマトの5倍あります。とくに、肌の日焼けが気になるこれからの季節にはぴったり。ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いので、調理過程で失われやすいとされていますが、ピーマンの場合は熱に強く、加熱調理してもビタミンCの損失は少ないです。
さらに、体内で必要時にビタミンAに変わり免疫機能を高めるβカロテン、ビタミンEも多く含まれています。これらはビタミンCと合わせて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれ、単独で摂るよりも一緒に摂ることで相乗効果が期待できる抗酸化三大ビタミンです。体内の活性酸素の働きを抑制し、老化防止や生活習慣病予防効果が期待されます。
また、余分な水分や塩分を排出するカリウムも豊富なので、ピーマンはむくみが気になる人にもおすすめです。暑さが増し、紫外線が強くなるこれからの季節、肌の状態や体調を整えるためにも積極的に摂ってほしい野菜です。
種やワタにも栄養が含まれている
このほか、ピーマンには独特の香り成分であるピラジンが含まれています。血液をサラサラにし、血栓を防ぐことが期待されており、近年は脳梗塞や心筋梗塞など生活習慣病の予防に効果があることで注目を集める成分です。
ピーマンの種やワタには、このピラジンが多く含まれています。取り除いて調理することが多いですが、見た目さえ気にしなければ食べても問題はありません。むしろ、食品ロスや栄養メリットの観点から捨てずに食べるほうがいいでしょう。