どうぶつ
会社員として働きながら書店を経営するということ ねこ本専門店店主に聞く“パラレルキャリア”の実際
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良かったなと思うことばかりの“パラレルキャリア”
安村さんは現在、会社員としての仕事を続けながら、キャッツミャウブックスの店主としても働いています。
その珍しい働き方に、さまざまなメディアから“パラレルキャリア”などと取り上げられることも多いといいます。
「決して“パラレルキャリア”が素晴らしくて本屋を実現したのではなく、結果的にそうなっているだけ」と少し困った顔をして話す安村さん。
「会社を辞めたくてしかたなかったけれど、計画が具体的になればなるほどお金が必要だから辞められないなと。新しい店員ねこたちの命を預かったことも、会社員を続けている理由です。ねこ達が病気になったりしたときに、安定した収入がなければ責任がもてないので……」
平日は奥様が店に立ち、安村さんは仕事後帰ってきてから閉店までお店に。土日は安村さんもお店に立っているのだそう。
「定年ぐらいの歳になったらどうしようなんて不安もありましたが、それがなくなったのは本当に良かったと思います。明日お客さんに来ていただくにはどうすればいいかをずっと考え続けるのは、生活のハリにもなっていて良いことだらけですね」
「外に遊びに行く時間はなくなったけれど、そのぶん普段なら絶対にお会いできないような方が来てくださって、この空間で会話できるのはとても嬉しいことだなと。自分の伝えたいことをわざわざ取材に来ていただいて聞いていただけることも、こんなに素晴らしいことはないと思ってます」
本当にしんどいときには休養をとり、奥様にサポートしてもらっているのだとか。
「妻には本当に感謝しています。店に立っている時間は私より長いので、ストレスをかけさせてしまって申し訳ないなと」
お互いの信頼関係がなければ、なかなかできないこと。本当に羨ましいほど素敵な夫婦です。
変化のバランスを大切にしたお店に
“ねこだけを助けたいのではなく、本の文化も助けたい”
「本屋がねこを助け、ねこが本屋を助ける」というコンセプトを掲げ、売り上げの一部を保護ねこ活動に寄付するのにはこうした意図もあるのだそう。
「コンセプトに共感してくださったお客様が、キャッツミャウブックスをきっかけに普段お読みになる冊数以上の本を買っていただくと、本の文化が繋がっていくのかなと思っています」
多くのメディアに取り上げられることで、多くの方にお店の想いを知ってもらえました。
けれど、安村さんが目指しているのは「長く続けていくこと」。お客様に飽きられないようにするにはどうすればよいかをずっと考え、変わらないようにしなきゃいけないことと、変わっていかなきゃいけないことのバランスに気を付けているといいます。
「お客様からの期待を裏切らないように、とすごく思っています。本好きな方が欲しいと思った本を手に入れられるような本屋にならなければいけないし、ねこ好きの方を悲しませないよう、ねこたちが幸せに暮らしている姿を見せ続けていかなきゃいけない。ねこ好き本好きのすべての方に知ってもらえるまでは、頑張って続けていきたいと思います」
(猫ねこ部)