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農家の嫁の夏の“推し”フルーツ おすすめする3つの理由とは 子どもが喜ぶおいしい食べ方も
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今年も全国の各地を猛暑が襲っています。蒸し暑い日が続くと、冷蔵庫で冷やして、切ってすぐ食べられる食材がありがたいですよね。「我が家では、夏の風物詩である『スイカ』を自家用に育てながらも、近所の農家さんから買うなどして、なるべく冷蔵庫に常備しています」と話すのは、茨城県で兼業農家を営み、少量多品種の米や野菜作りに取り組んでいるこばやしなつみさん。今回は、スイカをカットするのは大変と感じている人におすすめの、「小玉スイカ」の魅力を紹介します。
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小玉スイカを切ってみて 薄くて切りやすい皮が助かる
アフリカが原産地といわれているスイカ。キュウリやカボチャなどと同じ、ウリ科の野菜のひとつです。畑で咲く黄色い花の様子も、キュウリに似ています。甘くてみずみずしい果肉と、シャリシャリの食感が魅力ですよね。
我が家では、食事やおやつ時に家族が自由に食べられるよう、カットして保存しておくほど大人気です。しかし、ある友人から「ひと玉丸ごと買う気になかなかなれない」との意見を聞きました。その理由は、もともとスイカを食べる習慣がないから。そこで、私は「スイカ初心者さんなら『小玉スイカ』がおすすめだよ」と伝えました。
おすすめする理由の1つ目は、「食べ切りサイズ」であることです。我が家で収穫している小玉スイカの重さを量ってみると、1玉1.5~2キロ程度。そのうち皮が約1/3以下で、可食部は重さにして1~1.4キロあります。昔ながらの大玉スイカは1玉5~8キロあるので、皮のゴミが少ないという点では後片づけの負担が軽くて助かります。
2つ目の理由は、「冷凍できる」ことです。我が家では、果肉と果汁を合わせて製氷皿に入れて冷凍します。好きなときに食べる個数だけ取り出して、溶かしながら食べることができるのです。「スイカ氷」を使って自宅のかき氷機で作る「スイカかき氷」も、子どもたちが喜んで食べる夏のおやつのひとつになっています。
最後に、理由の3つ目は「皮が薄くてやわらかいので切りやすい」こと。我が家で収穫する小玉スイカの皮の厚さは、目安になりますが、皮から一番近い白い部分で1センチ未満で、緑の皮は5ミリほどです。皮を取り除く際に力を入れて切る必要がないので、大玉スイカに比べて短い時間でカットが可能。さらに、すべてひとくちサイズに切り分ければ、冷蔵庫内でも省スペースで保存できます。
名前の由来はサイズだけじゃない?東海道新幹線小玉に由来
そんなスイカ推しな私ですが、小玉スイカの名前の由来を知って驚きました。小玉スイカは1958年に登場した品種で、さらに品種改良されたもの。
その名前の由来は、小さいという点だけでなく、東海道新幹線「こだま」が開通した1964(昭和39)年と同じ頃に品種改良されたことにあるといいます。
夏場しか出回らない小玉スイカ。近年ではさらに改良されて、より糖度が高くシャリシャリ感も強い品種が全国各地で増えているようです。たくさん食べて、夏の暑さを乗り切ってくださいね。
【参考】
JAグループ茨城 Amore「こだますいか」
https://www.zennoh.or.jp/ib/amore/crop/kodama_watermelon.html
(こばやし なつみ)
こばやし なつみ
半農半フリーランスPRプランナー。2009年に大学卒業後、東京のPR会社に就職。PRプランナーとして勤務後、14年に独立。同年、茨城県・水戸の兼業農家へ嫁ぐ。16年9月に茨城県立農業大学校いばらき営農塾(野菜入門コース)を修了、同11月に第1子を出産。現在は少量多品種(年間約30~40種)の野菜を義両親と共に作り、販売する傍ら、平日は執筆、意識調査の設計・分析等の仕事もこなしている。