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土用の丑の日はウナギだけではない! 猛暑を乗り切るのに有効な「う」がつく食べ物とは 栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

暑さを乗り切るために取り入れたい「う」がつく食べ物

 このほか、猛烈な暑さに負けないために、日々の食卓に活用したい「う」がつく食べ物の栄養メリットを紹介します。

○梅干し

ミネラル豊富な梅干し(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ミネラル豊富な梅干し(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 梅干しは、汗と一緒に放出してしまうカリウムやナトリウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。疲労回復や消化吸収の促進が期待できるクエン酸も、夏バテ解消に役立つでしょう。暑すぎると運動量が減る人も多いと思いますが、脂肪燃焼効果で注目されるバニリンが梅干しには含まれています。ほぐした梅干しに沸騰した湯を注ぐだけの梅湯は、夏の水分補給にぴったりです。

○うし(牛肉)

良質なたんぱく質を持つ牛肉(写真はイメージ)【写真:写真AC】
良質なたんぱく質を持つ牛肉(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 牛肉は、細胞の構成に欠かせない良質たんぱく質が主成分で、疲労回復や脂肪燃焼効果のあるLカルニチンもあることから、夏向きのスタミナ食といえます。カロリーが気になる人は、脂質が少ない赤身肉を選ぶと良いでしょう。赤身肉は、汗をかいたときに一緒に出てしまう鉄を多く含むので、貧血が気になる人にもおすすめです。

○ウリ(キュウリ)

カリウムが比較的多いキュウリ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
カリウムが比較的多いキュウリ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 キュウリは、95%が水分ですが、余分な水分や塩分を排出してくれるカリウムが比較的多い夏野菜です。水分補給やむくみ解消に役立つでしょう。ナトリウムはほとんど含まれていません。熱中症予防の観点からいえば、汗とともに放出してしまうナトリウムの補給も必要なので、少量のみそをつけていただくのも良いでしょう。

○うどん

炭水化物が主成分で消化が良いうどん(写真はイメージ)【写真:写真AC】
炭水化物が主成分で消化が良いうどん(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 うどんは、炭水化物が主成分で消化が良いので、胃腸に負担をかけずに効率的にエネルギーを補給できます。つるんとした食感で食欲がわかない暑い夏でも、喉越し良くいただきやすい食品です。

 以上、「う」がつく食べ物をみてきましたが、食品は1種類だけではなく、多くの種類を組み合わせることにより、それぞれの不足する栄養素を補うことができます。例えば、うどんだけでは、たんぱく質を始め、ビタミン、ミネラルが不足する食事になります。ウナギや牛肉には食物繊維とビタミンCがありませんし、キュウリや梅干しだけではエネルギー源にはなりません。

 暑さで食欲がなく、うな重やうな丼が重いと感じたら、土用の丑の日は、冷たいうどんに、具材として牛肉や梅干し、キュウリなど「う」がつく食べ物をプラスすれば、栄養バランスが整った一品になります。まだまだ暑い日が続きますが、元気に過ごしていきましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾