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入浴後のカビ予防 NG習慣続けてない? 毎日続ける方法を掃除のプロがアドバイス
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:伊藤 まき
オールシーズンを通し、カビが繁殖しやすい条件がそろっていると言っても過言ではない浴室。カビの繁殖を抑え、快適な浴室を維持するために、お風呂上がりに浴室全体を熱いお湯で洗い流す予防法があります。実践している人もいるかもしれませんが、それがカビの発生につながることもあるようです。掃除のプロ・伊藤まきさんにお聞きしました。
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熱湯だけでは逆にカビが発生しやすくなる可能性も
よく知られている手軽なカビ対策として、「入浴後、浴室全体に50度の熱いお湯を90秒かける」という方法があります。カビ菌の栄養となる石けんカスなどを洗い流し、熱いお湯でカビ菌を殺すことで、カビの繁殖を抑えることができるというテクニックです。
ところが、実は「お湯をかけただけ」ではNGだということは、あまり知られていません。その理由は湿度。熱いお湯をかけると湿度が高くなり、生き残ったカビが繁殖しやすい環境になってしまうのです。
とくに夏の暑い時期は湿度がより高いため、熱いお湯をかけるだけでなく、そのあとに「冷水で浴室を冷やす(または、室温を下げる)」のがカビを増やさないコツです。
ただし、浴室全体に熱いお湯をかけて、冷水で冷やす作業はかなり手間ですよね。それに、熱いお湯が蒸発するのは早いですが、冷水で冷やすと水滴が残りやすくなります。ですので、毎日行いやすい方法として、私は部分的に熱いお湯を使うことをおすすめします。
1. 石けんカスや皮脂汚れが飛び散った場所にのみに熱いお湯をかけて、汚れ(栄養)を洗い流す
2. 換気扇を30分~1時間回す
カビ予防は毎日続けることが大切なので、自分ができる範囲のことをやりましょう。
換気扇を効果的に使用すると◎
また、可能であれば、洗車用マイクロファイバータオル(脱水機能が高い布)や使用後のバスタオルなどで水滴の拭き取り作業をすると、より効果が高まります。
目地や浴槽のフチなど、凹凸が多い場所はカビが発生しやすいのでよく洗い流しましょう。浴室の壁が木材など、拭き取りしにくい場合は長めに換気扇をかけるか、窓をしっかり開けて換気を行いましょう。
なお、浴室換気扇の電気代が気になるという声もあります。節約のために窓を開けて扇風機を回す家も多いですが、一般的な浴室換気扇の消費電力(13W~20W程度)であれば、24時間換気をしても心配ありません。
東京都の平均電気料金で計算した場合、1日あたり15円程度(20W)です。カビが発生して、専用洗剤の購入費と作業に費やす時間を考えれば、換気扇を回したほうが安く済みます。(※ただし、年式が古い換気扇の場合は消費電力が多くなり、電気代がかさむ可能性があります)
ちなみに、お盆で自宅を空ける際は、換気扇機能を止めずに出かけるのがおすすめ。下水管から上がってくる湿気や臭気の対策になります。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize