Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

栄養が偏りがちなそうめん 更年期世代が知っておきたい組み合わせるべき食材は?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

良質たんぱく質の食材をそうめんにプラス

 そうめんに組み合わせる食材は、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維を補えるものが良いでしょう。良質たんぱく質の摂取でいえば肉、魚、卵、大豆です。また、ビタミンやミネラル、食物繊維の摂取には野菜やキノコ類、海藻がおすすめ。それぞれの栄養メリットを解説します。

○肉
 カロリーが気になる人には鶏肉がおすすめです。ゆでたささみやむね肉は低カロリー。市販のサラダチキンを活用しても良いでしょう。豚肉は、エネルギー代謝に欠かせない補酵素ビタミンB1が豊富。しゃぶしゃぶのように、いったん湯に通して余分な脂質を落として組み合わせましょう。牛肉も同様に。お湯に通してから使うと良いですよ。

○魚
 調理が手間であれば、缶詰を活用しましょう。缶詰のツナやサバなどを使うと手軽に良質たんぱく質が摂取できるほか、魚油からは脳を活性化し、血液をサラサラにする健康効果が期待される不飽和脂肪酸(DHA、EPA)も摂れます。魚には骨の健康に欠かせないカルシウムやビタミンDも含まれています。シラスや桜エビなどを組み合わせても良いでしょう。

○卵
 完全栄養食品といわれる卵からも、良質たんぱく質を摂取できます。ゆで卵は加熱しているので、わずかにビタミンB群が減少する可能性が指摘されていますが、生卵と比べても栄養価にほとんど変わりはありません。生卵よりも半熟卵のほうが、消化吸収が良いとされています。

○大豆
「畑の肉」といわれる大豆を原料にした豆腐や納豆も◎。補酵素であるビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維なども含まれています。女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持つ大豆イソフラボンは、悪玉コレステロールを減らす作用や、骨粗しょう症予防の効果に期待。とくに納豆は、血栓予防のナットウキナーゼ、カルシウムの吸収と骨への沈着を高めるビタミンKが豊富です。

そうめんに合わせたいビタミン、ミネラルや食物繊維を含む食材

○野菜
 季節の夏野菜を中心に組み合わせてみましょう。キュウリには余分な塩分や水分を排出しむくみを予防するカリウム、トマトには免疫機能を向上させるβカロテンや美肌に欠かせないビタミンC、オクラには腸内環境を整える水溶性ペクチンなど、そうめんだけでは不足してしまう栄養素が含まれています。

○海藻
 ワカメやめかぶ、もずくなどの海藻類は、食物繊維やミネラル、ビタミン類などが豊富です。調理の手間もないので、積極的に組み合わせたい食材といえるでしょう。

○キノコ類
 キノコ類も食物繊維やビタミン、ミネラルが多いので、そうめんの不足しがちな栄養を補ってくれます。生では食べられないので、耐熱皿に入れて軽くラップをし、電子レンジで加熱しましょう。

 以上のような食材とそうめんを組み合わせることで、糖質以外の栄養素を補った、おいしくて栄養たっぷりの一食になります。温かいつゆで食べると胃腸の負担をやわらげ、塩分も控えることができますよ。暑い日が続きますが、バランスの良い食生活を心がけて夏バテ対策をしていきましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾