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カビをこすり洗いしてはいけない理由とは お風呂のカビ掃除でやってはいけない行為5選 掃除のプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

カビの繁殖を防ぐにはこまめな掃除が大切(写真はイメージ)【写真:写真AC】
カビの繁殖を防ぐにはこまめな掃除が大切(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 浴室は湿気がこもりやすく、カビが生えやすい環境です。繁殖を防ぐためにもこまめな掃除が大切ですが、間違った方法で行っては意味がありません。そこで、カビ対策でやってしまいがちなNG行為について、片づけ&掃除のプロである整理収納アドバイザーの伊藤まきさんに教えていただきました。

 ◇ ◇ ◇

こまめな殺菌・除菌でカビの被害を防ぐ

 カビは真菌と呼ばれ、細菌やウイルスと同じ微生物の一種です。糸状に伸びる菌糸の先端から水と栄養を吸収し、わずかな間にグングンその魔手を伸ばしていきます。放置していると家を傷つけるばかりでなく、住んでいる人の健康を害することもあります。

 カビは気温20~30度、湿度70%以上、栄養分であるホコリや皮脂などの汚れが溜まった環境で繁殖するといわれています。浴室はその条件がそろいやすい場所です。

 それを理解して、浴室掃除をこまめに行っているにもかかわらずカビが生えてくる場合は、誤った掃除をしている可能性があります。カビの繁殖を防ぐためにも、下記のNG行為を覚えておくといいでしょう。

1. カビを水拭きする
2. 塩素系漂白剤と酸性の洗剤を混ぜる
3. カビをこすり洗いする
4. カビ掃除用の洗剤を長期間放置する
5. カビの発生源を放置する

 水気を好むカビ菌に対し水拭きを行うのは、エサを与えるようなものです。また、こすり洗いや掃除用洗剤を長時間放置をすると、壁やパッキンに細かな傷がついてしまい、そこがカビの温床になってしまうことがあります。

 カビ対策として、やわらかい布にアルコール除菌液をたっぷり含ませてカビを拭き取り、仕上げにアルコール除菌液をスプレーするのも有効です。ただし、アルコール除菌液は変色の原因になったり、引火したりする危険性があるので、使用方法をよく確認しましょう。

 カビ胞子ができて壁やタイルの目地が黒ずんしまった場合は、塩素系漂白剤を使って殺菌し、カビの色を落とすのが効果的です。ただし、酸性のものと合わせると有毒ガスが発生するおそれがあります。使用の際はゴム手袋やマスクを装着し、十分に換気を行うなど、取り扱いには十分に注意しましょう。

 何度も掃除をしているのにカビが生えてくる場合は、根深い場所までカビ菌が入り込んでいる可能性があります。こうした場合は、ハウスクリーニング業者に依頼するのもひとつの手です。清潔な環境と健康を守るためにも、日頃からカビ予防を心がけたいですね。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize