からだ・美容
ニキビや吹き出物ができやすい人がうっかりやっているNGケア 肌トラブルの予防法を医師が解説
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暑さで肌の表面に出る脂や汗が気になる季節。きれいさっぱり洗い流したくなりますが、やりすぎると肌トラブルの原因になります。ニキビや吹き出物を予防するには、どんなことをすれば良いでしょうか。健康的な肌を保つためにやってはいけないことなどについて、医療法人社団日進会にっしん皮フ科・形成外科の平岩亮一院長に伺いました。
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ニキビと吹き出物 予防は同じ方法で良い?
ニキビも吹き出物も、どちらも医学病名ではなく俗称です。ニキビは、医学病名でいうと「尋常性ざ瘡」で、毛穴が化膿して「面皰(めんぽう)」というニキビの芯が作られた状態のことをいいます。
一方、吹き出物はこの「尋常性ざ瘡」のほか、芯を作らず毛穴に赤みと腫れ、化膿を起こす「毛包炎(もうほうえん)」や、頬や額など顔の中心付近に赤みが生じる「しゅさ(赤ら顔)」など、毛穴が化膿する症状を表現する際に、一般的に使われる傾向があります。
ニキビと吹き出物は、厳密には違うのですが、症状としては重複する点があります。そのため、基本的な予防対策は同じです。予防する方法は実にシンプルで、「本来肌が持つバリア機能を最大限に保つこと」になります。
肌本来のバリア機能を最大限に保つには
そもそも肌のバリア機能とは、私たちの肌の表面を覆う角質層が担い、体を守るためにさまざまな役割を果たしています。たとえば、肌の保湿性や柔軟性の保持、細菌繁殖を抑える、汗など水に溶ける刺激成分を弾き角質層よりも深い表皮に浸透させない、紫外線の散乱による自然のUVをカットするなど。まさにバリアとしての働きをします。
このようなバリア機能をフルに働かせるためになくてはならない因子が、毛穴から出る皮脂です。皮脂は角質層の表面や毛穴に張りついて皮脂膜を作ります。皮脂膜は、積層して厚みを持つと皮膚の水分蒸散を抑え、肌を弱酸性に保ち、カビや細菌の繁殖を防いでくれます。そのためバリア機能が働いている肌は、とくに除菌する必要がありません。
しかし、皮脂膜をうまく作ることができない肌はバリア機能が働かず、そのためニキビや吹き出物などができやすくなります。この多くは、洗顔やクレンジングのやり方を間違えて、皮脂膜を除去していることに原因があります。