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トイレやキッチンの漂白剤でつけ置き洗いをしてはいけない場所 SNSの誤情報は鵜呑みにしないで 掃除のプロが注意喚起
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教えてくれた人:伊藤 まき
SNSでは、さまざまな掃除方法が紹介されています。しかし、なかには誤った情報も少なくありません。また、自身の家具や床材と投稿のものが違うケースでは、掃除方法が異なる場合も。「真似をする前に、そのやり方が本当に正しいのか必ず確認してください」と、掃除のプロ・伊藤まきさんは注意喚起しています。
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目に見えてきれいになるけれど、劣化を早める場合も
SNSで話題の掃除法のひとつに、「浴室の床材のつけ置き洗い」があります。キッチンやトイレ掃除で用いる、強力な漂白剤を使った方法です。
こうした強力な漂白剤を使えば確かに汚れはきれいに落ちますし、その効果が目に見えやすいことから真似する人が多いようです。しかし、使用する素材によっては劣化を早めてしまうため、プロはこうした掃除法をおすすめしていません。
浴室の床のひどい汚れを予防するには、「お風呂用の洗剤」で日々お手入れし、十分に換気をして乾かすのが大切。しかし、何年も念入りな掃除をせず汚れを放置してしまった場合や、築年数が古くてこまめに洗っても汚れやカビがつきやすい場合は、キッチン用やトイレ用の漂白剤を使うのではなく、「お風呂用のカビ取り剤」を使用するのが正解です。
なお、頑固な水アカやカビはキッチンペーパーを貼りつけ、そこにお風呂用カビ取り剤を吹きつけて20分程度放置(パック)すると、きれいになります。
お風呂用の洗剤は、皮脂汚れや石けんカスを落としやすいよう設計されていて、トイレ用・キッチン用とは性質が異なります。いくつも洗剤を用意するのは面倒くさい、お金がかかってもったいないなどと思うかもしれませんが、掃除する用途に合ったものを選ぶことで効果が高まり、家を傷めるリスクを減らします。
思わぬ健康被害を防ぐためにも、お風呂場では浴室専用の洗剤を使うようにしたほうが安全ですよ。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize