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「日本人の美容師は、だいたい腕前がいい」 質が高いといわれるのはなぜ? アメリカで評価される納得の理由

公開日:  /  更新日:

著者:ユキ

自主的な研究が日本人のサービス精神の表れ

ニューヨークにあるQBハウス【写真:ユキ】
ニューヨークにあるQBハウス【写真:ユキ】

 お店にもよりますが、美容室はメンズカットが50~70ドル(約7500~1万500円)程度で、それにチップが加わります。チップは15~20%くらい。もともと、それほど頻繁に美容室へ行くほうではなく、3か月に1度くらいの頻度で通っています。

 また、自宅の最寄り駅の地下にQBハウスがあり、そちらはメンズのヘアカットが30ドル(約4500円)、前髪部分のカットのみだと15ドル(約2250円)。チップは別に払う必要がありますが、かなりリーズナブルに散髪することができます。

同郷の美容師がいるニューヨークの美容室【写真:ユキ】
同郷の美容師がいるニューヨークの美容室【写真:ユキ】

 次に通うことになった美容室では、たまたま同郷の美容師の方にお会いしました。

 前の美容師さんと同じように、英語がそれほど話せるわけではなかったそうですが、こちらでは日本人の美容師は技術力が高いという評判があるので、お客さんもそれをわかってきてくれているとのこと。

 彼女によると、日本の美容室は研修体制がしっかりしているし、一人前になるまで時間がかかる分、技術が保証されている点がアメリカとは大きく異なります。また、日本の美容室で働いていた当時、高級ホテルの提供するサービスを研究して、それを日頃の業務に生かせないかと、従業員たちが自主的にミーティングを重ねていたのだとか。

「それでチップが増えたりするわけでもないのに、不思議ですよね」と笑っていましたが、この話を聞いて、目の前の業務を改善し顧客の満足度を高めようという姿勢が、日本人の美容師の質を高めているのだと思いました。

 昨今、ワーキングホリデーでオーストラリアに来て仕事を探すものの、なかなか見つからずに炊き出しに並ぶなど、ホームレス化している日本人がいるという記事を見ました。仕事として提供するべき能力がなければ、それはどこへ行っても同じなのではないでしょうか。

 美容師に限らず、しかるべき技術を持っている人であれば、日本人の仕事への姿勢は海外で高く評価されています。

※1ドル=150円で換算。

(ユキ)

ユキ(ゆき)

都内の出版社で編集者として働いていたが、2022年に妻の海外赴任に帯同し、渡米。駐在員の夫、「駐夫」となる。現在はニューヨークに在住し、編集者、学生、主夫と三足のわらじを履いた生活を送っている。お酒をこよなく愛しており、バーめぐりが趣味。目下の悩みは、良いサウナが見つからないこと。マンハッタン中を探してみたものの、日本の水準を満たすところがなく、一時帰国の際にサウナへ行くのを楽しみにしている。