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「明らかに大変そうなのは妻のほう」 海外駐在に帯同した夫 日本のジェンダーギャップを感じた瞬間とは

公開日:  /  更新日:

著者:ユキ

アメリカに住んで感じた日本のジェンダーギャップ(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
アメリカに住んで感じた日本のジェンダーギャップ(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 男性を蔑視する発言がSNSを中心にたちまち炎上するなど、日本でも男性差別に対して厳しい目が向けられるようになってきました。妻の海外赴任に伴い、アメリカ・ニューヨークで駐在夫、いわゆる「駐夫(ちゅうおっと)」になった編集者のユキさん。この連載では「駐夫」としての現地での生活や、海外から見た日本の姿を紹介します。第15回は、日本のジェンダーギャップについてです。

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映画『タイタニック』を観て、ふと疑問に思ったこと

 セントラルパークや、メトロポリタン歌劇場があるリンカーンセンターなど、夏のニューヨークは各地で無料のイベントが開催されます。

 ニューヨーク公共図書館の真裏、マンハッタンの中心にあるブライアントパークでは、ムービーナイトとして野外映画を上映。先日は『タイタニック』が上映されていました。ジェームス・キャメロン監督による1997年の作品で、アカデミー賞を11部門で受賞し、当時の興行収入の史上最高額を記録。観たことがある方も多いのではないでしょうか。

『タイタニック』上映時のブライアントパーク【写真:ユキ】
『タイタニック』上映時のブライアントパーク【写真:ユキ】

 公園の芝生にブランケットを敷いて場所を確保し、くつろぎながらの映画鑑賞。名場面では、あちこちで観客の歓声が上がります。氷山との衝突により、船体の破損個所から浸水が進み沈没していくタイタニック号。しかし、本船には乗客の人数に対し、十分な救命ボートが積み込まれていません。

 船員からは子どもと女性を優先的に救命ボートに乗せるよう指示が出され……というところで、ふと疑問が浮かびます。これって、今のコンプライアンスに当てはめたとしたらどうなのだろうかと。

 男女格差の現状を、各国の統計を基に評価するジェンダーギャップ指数。毎年、世界経済フォーラムにより発表され、2024年の日本の順位は118位(146か国中)。主要先進国(G7)の中で最低です。

 政治家を見ても、企業のトップを見ても男性ばかりで、確かに改善する必要があるのでしょう。しかし、どうも釈然としないところもあります。