実りの秋は、木の実がおいしい時期でもあります。世界で“最古のナッツ”といわれるクルミは日本でも食されており、縄文時代から親しまれていた食品のひとつです。栄養が豊富で、とくに更年世代が摂取しておきたい栄養成分も多いそう。9月30日は「くるみの日」。記念日にちなみ、クルミについて栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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クルミには更年期世代にうれしい3つの栄養成分が豊富

　クルミは“スーパーフード”といわれるほど、栄養がバランス良く詰まっています。更年期世代が食べると良いとされる理由は、とくに次の3つの栄養成分が豊富な点が挙げられるでしょう。

　1つ目は、オメガ3脂肪酸です。血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きがある、質の良い脂質として知られる不飽和脂肪酸のひとつ。体内で合成できないため、食事から摂取する必要がある脂肪酸（必須脂肪酸）です。なかでも、クルミはオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸が多く、血流をスムーズにして心疾患や脳卒中、動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果が期待できます。ホルモンバランスの変化により、心血管疾患のリスクが高まる更年期世代にとっては、意識して摂取したい栄養成分といえるでしょう。

　2つ目は、ビタミンEです。“若返りのビタミン”と呼ばれ、強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を軽減することで細胞の老化を防ぐ働きが期待されています。更年期世代が気になる肌の健康や、免疫機能のサポートなどにも役立つでしょう。

　3つ目は、食物繊維です。更年期はホルモンの変化が腸の働きに影響を与え、便秘や下痢などの消化器系の不調を引き起こすことがあります。食物繊維をしっかり摂取することで、腸内の善玉菌を増やし、消化のサポートや便通の改善が期待できるでしょう。“脳腸相関”という言葉があり、腸の調子を良くする、自律神経が乱れにくいと考えられています。また、食物繊維は血糖値の急上昇を抑え、満腹感を持続させる効果も。体重増加や食べすぎ防止にも良い影響を与えます。

　このほか、クルミにはビタミンB1、ビタミンB6、葉酸といったビタミン類、マグネシウム、銅、亜鉛などのミネラルをはじめ、抗酸化作用のあるポリフェノールも。更年期世代にとって、健康の維持や増進に欠かせない成分が含まれています。