育児・家族

認知症の父を入院させたい… アラフィフ娘が気が付いた「ケアマネージャー」探しの重要性

著者:和栗 恵

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ケアマネは、“家族の味方”になってくれる人ではない…

 すでにご存じの人もいることでしょうが、ここで簡単に「ケアマネージャー」について説明させていただきます。ケアマネージャーは正式には「介護支援専門員」という職業で、要介護認定を受けた人(我が家の場合は父親)が、適切な介護保険サービスを受けられるよう、利便を図ってくれる人のことをいいます。

 介護や看護といった知識を持っていることはもちろん、介護・看護関係の医療業務の国家資格を持ち、通算5年以上従事している、または同等の業務に900日以上従事していること。または生活相談員など相談援助業務に通算5年以上の経験、または同等の業務に900日以上従事していることが必要で、なろうと思っても簡単になれるものではありません。

 そのため、ケアマネージャーは父、母、私、そして病院の先生と相談をし、今後、どのように介護していくのか、どのようなサービスを受けることで父を看ていくことができるのか、そうしたことを考え、ベストな解決方法を導いてくれるに違いない……私たち家族は、そう思っていました。

 しかし、我が家の場合、現実は大きく違いました。私達の思いが甘かったのでしょうか? ケアマネージャーは次のように言いました。

 担当してくれたケアマネージャーの方は、父の老人ホーム入所や入院には懐疑的で、無理だと言いました。そして、私か兄が同居できないかを提案してきたのです。

 普段人当たりのよい母が、さすがにこの時は怒りました。

「あなたがたは、いったい、誰の味方なんですか?」

 母は同居となれば、子ども達がやりたい仕事に就いてがんばって働いているのに、仕事を辞め実家に戻ってこなければいけなくなってしまうこと。

 そして、子ども達がしっかり働いて、社会をまわしているのに、なぜ公的制度を使わせようともせず、家族が犠牲になるように薦めるのか、といったことを怒りが混じった声で言い返しました。

 ケアマネージャーの方は、思わぬ反撃に驚いた様子を見せていましたが、それでも「入院は無理」という言葉を覆すことはありませんでした。

決して悪い人ではないけれど、ケアマネの方と「合う、合わない」の相性もある

 私と同様に、両親や祖父母が認知症を患っている友人や知人に話を聞くと、実はこうした「ケアマネとの意見の相違によるトラブル」は、意外に多いのだと気づかされました。

 神奈川県在住の友人は、80代後半の母親が認知症になり、自ら食事を作ることができなくなりました。一日のほとんどをベッドの上で過ごす状況にいるにもかかわらず、要介護認定すらもらえず、ついた判定は「要支援1」。有料のサービスをフルに使い、見守りアプリを導入して介護をしています。

 埼玉県在住の知人は、90代前半の祖母が認知症に。母に当たり散らすため施設を探すものの、ケアマネージャーからはいわゆる有料介護ホームしか紹介してもらえず、担当者を変えてほしいと申し出たといいます。すると、新しい人に変わるやいなや、10日も経たないうちに特別養護老人ホームを紹介され、無事に入院させることができました。

 そう、つまり「ケアマネ」との相性が「合う・合わない」はやはりあるようです。先に記したように、ケアマネになる人は「医療従事者」か「相談経験者」か、どちらかを経験してきている人になります。医療専門だった人は、医療について詳しいのですが、どうしても相談には疎く、逆に、相談によく乗ってくれはしても、医療に疎い人もいるのです。

 もちろん、父の担当となってくれた方も、悪い人ではありません。それはよく分かっています。しかし、導き出せる解決策が「子どもが仕事を辞めて家に帰ってきて、親の面倒を看ればいい」だけでは、大変申し訳ないですが我が家との相性は「合わない」としか言いようがないのです。

 現在、これまで働いてきてくれたケアマネさんに悪いなぁと思いながらも、変更をする方向で動いています。これで、母の負担が少しでも取り除ければ、それは、父自体をも幸せにすることにつながるはずなのですから。

(和栗 恵)