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サンマの塩焼き 頭を左にするのはなぜ? 知っているようで知らない豆知識を栄養士に聞いた
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
サンマの塩焼き 頭を左側にして盛り付ける理由とは
サンマを盛り付ける際は、頭を左側にするのがマナーです。サンマに限らず、日本の食事作法では、魚の盛りつけは頭を左側、尾を右側に置くのが基本とされています。理由には諸説ありますが、日本の伝統的な考え方「左上位」に由来していると考えられています。
左上位とは、左側を上位(優先)とする考え方です。武士が刀を左に帯びていたことに関連しており、左側が「上位」と見なされるようになりました。ごはんは左、みそ汁は右と主食を左側に配置するのも、左上位の流れと言われています。
また右利きの人が多いので、左側に頭があると身が食べやすいというのも理由のひとつです。
サンマの塩焼きのスマートな食べ方とは
サンマの食べ方のコツは、最初に骨に沿って頭から尾まで横一直線に箸を入れること。そして、頭側の上半分から少しずつ身を食べていきましょう。下半分も同様に、頭から尾に向けて食べ進めます。
表側の身を食べたあと、反対の裏側を食べようと裏返すのはNGです。頭のすぐ近くの位置で中骨を箸で掴んで浮かせます。そのまま静かに骨に沿って、尾に向かって箸を動かせば、身から骨がはずれますよ。箸で尾を折って切り離しましょう。尾がついたままだと骨と身が離れにくいですが、尾を切ることで残りの身と骨をきれいに分けることができます。
切り離した尾、取った頭と中心の骨は、残りの裏側の身を食べやすいようにお皿の上部(奥)に移動させましょう。食べ終えたら、頭のついた骨は二つ折りにし、小骨や尾などと一か所にまとめておくとスマートです。
サンマには、オメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペタンエン酸)など、脳の活性化や血流を促す良質な魚油が豊富に含まれています。体の組織に必要なたんぱく質、丈夫な骨や歯を作るのに欠かせないカルシウム、カルシウムの吸収率を上げるビタミンDも豊富な優れた食材です。旬のうちに、おいしく食べましょう。
※10月10日10時30分に記事の一部を修正しました。訂正してお詫びします。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾