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どうぶつ

愛犬と同伴出勤可能に オフィスは柵やケージなしのドッグラン 導入に至ったきっかけとは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

動物嫌いな社員への配慮も

愛犬が楽しめるようなスペースも【写真提供:株式会社オモヤ】
愛犬が楽しめるようなスペースも【写真提供:株式会社オモヤ】

 解決すべき問題はほかにもありました。「コノコトトモニ」を運営する株式会社オモヤは多くの事業を抱えており、社員は総勢100名ほど。そのなかには犬が苦手な人や、動物に対してアレルギーを持つ人もいます。

「全社員に対し、事前にヒアリングを行いました。その結果、大きく反対する人はいませんでした。ただ、わんちゃんに慣れていない人もいるので対策を思案。ほかの部署とフロアを分け、出勤時はキャリーやカートに入れるなどし、きっちりと棲み分けをすることになりました」

 愛犬との出社を希望する人は、誓約書を提出。さらに愛犬ごとの“トリセツ”も作成しました。

「わんちゃんがどういう性格なのか、好き嫌いはなんなのか、どう接してほしいのか。そうしたことを丁寧に書き込み、初対面でもわんちゃんと良好な関係が築けるよう、工夫しています」

こだわりがたくさん詰まった夢のオフィス

広報犬とともに床材などを選定【写真提供:株式会社オモヤ】
広報犬とともに床材などを選定【写真提供:株式会社オモヤ】

 夢のオフィス内には、撮影スタジオや、お客様とその愛犬を呼んでイベントなどを開くことができるスペースを併設。さらに、人工芝を敷いたドッグランスペースや、カフェスペースなど、愛犬との憩いの場が設けられています。

 中馬さんによると、ほかにもさまざまなこだわりが詰まっているそう。

「実は、オフィス内に柵やケージを置かず、わんちゃんたちがオフィス内を自由に行き来できるようになっているんですよ。わんちゃんが走った際に、滑って足腰を傷つけることのないよう、床材は念入りに選定しました。また、広報犬たちに実際に走ってもらい、防音テストも行っています」

 社員もわんちゃんも安心して働くことができる環境作りに、心を砕いたという中馬さん。「飼い主である私たちも、そしてわんちゃんたちも、みんなが幸せになれるオフィスが完成したと思っています」と胸を張ります。

わんちゃんの入社式も開催

 オフィスのオープンに合わせ、改めて広報犬の入社式と任命証の授与を行いました。今回出席した広報犬は部長のシーズー、ミニチュアダックスフンド、マルプー(マルチーズとトイプードルの交雑種)、マルチーズ、チワワ、トイプードルの6頭です。

 広報を担当する吉川さんは、入社式を迎えることができ、喜びもひとしおの様子。そして、今後の展望を次のように語ります。

「社員にとって、愛犬家にとって、家より居心地の良いオフィスを目指しています。わんちゃんとともに働くことで多くの気づきを得て、新たな商品の開発を行っていければうれしいですね」

「わんちゃんオフィス」では今後、定期的に座談会やイベントを開催予定。愛犬家とのつながりを深めることで、より多くの人たちに「愛犬と働くことの意義」や「人とペットが共生できる社会」を広めていきたいと考えています。

(和栗 恵)