アメリカ・ハワイのロコ（地元民）と結婚し、現地で2人の子どもを育てている45歳・主婦ライターのi-know（いのう）さん。円安の影響もあり、今年の夏から冬にかけて、日本に旅行するアメリカの友人が倍増。彼らの旅の感想を聞き、外国人から見た日本の良さを再発見させられたといいます。第20回は「アメリカ人流・大阪の楽しみ方」です。

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新幹線に憧れるハワイのロコ

　ハワイのロコが“子連れ”日本旅行で必ず訪れる東京ディズニーランドについては、前回書きました。今回は、もうひとつの人気の旅行先である大阪のお話。

　たとえば、日本人がアメリカや韓国を旅した場合、ほとんどの人が一都市に絞って観光するのではないかと思います。カリフォルニアならカリフォルニアだけ、ニューヨークならニューヨークだけ、韓国ならソウルといった具合にです。

　ところが、ロコは10日ほどの日本滞在のうち、東京と大阪の2都市に足を運びます。私の周囲では9割ぐらいの高い割合です。その理由は、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（以下、USJ）を訪れたいから」。そして、「新幹線に乗りたいから」です。

　アメリカ本土には高速列車があり、最高時速240キロ（ボストン～ワシントンD.C.間）なので、新幹線の最高時速300キロ（山陽新幹線）と比べて見劣りするわけではありません。しかし、ハワイはというと、オアフ島一周するのに車で3時間といわれるほど狭い島なので、新幹線も当然ありません。

　市民の足である車の渋滞緩和を目的として、2023年にモノレールが運行開始しました。しかし、最高時速は約88キロですし、とても利用しづらい場所に停車駅があるので、私の周りでは誰ひとりとして利用していません……。

　そんなロコだからこそ「新幹線という近未来的な乗り物に乗ってみたい！」と、憧れを募らせるのでしょう。新幹線の車窓から富士山を見るのも、日本旅行のハイライトなのだそうです。

海遊館も人気スポットのひとつ

　大阪に到着したロコが必ず訪れる観光地はUSJ、そして海遊館です。「なんで海遊館？」と日本人の私は思ってしまうのですが、ロコいわく「人生で一度はジンベイザメが見たい」とのこと。

　友達のロコ一家は海遊館のジンベイザメに感激し、お土産として、私の子どもにジンベイザメの人形をプレゼントしてくれました。アメリカ人に日本のお土産をもらうと、苦笑いしてしまうのは私だけでしょうか……。

　アメリカ人は一般的に、周囲と足並みをそろえない国民性だと個人としては思いますが、旅行に関しては「友達がジンベイザメを見たと言っていたから（自分も行きたい）」と同調意識が働くのは、本当に意外なことです。