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からだ・美容

二日酔いから早く回復するための食事 意外な組み合わせとは 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:谷口 英喜

二日酔いにならないようにするためには(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
二日酔いにならないようにするためには(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 忘年会や新年会など、宴会シーズンです。「今年も一年頑張った!」と開放的な気分になり、つい飲みすぎて翌朝後悔……という人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、栄養管理のエキスパートでもある麻酔科医の谷口英喜先生に、医師も実際に取り入れている効果的な二日酔い対策について伺いました。

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なぜ二日酔いになるの?

 二日酔いとは、アルコールを過剰に摂取したのち、翌日に頭痛や吐き気、胸焼けなどの症状が現れる一時的な状態を指します。アルコールの分解過程で生じる有害物質・アセトアルデヒドが蓄積してしまうことが主な原因だとされています。

 また、アルコールの持つ利尿作用により、体内の水分不足や電解質不足も重なるため、痛みや不快な症状を引き起こし、いわゆる二日酔いの状態になるのです。

肝臓でアルコールが分解されるときに生じる健康リスクとは?

 摂取したアルコールは、大量の水と電解質を使い、肝臓で分解されます。肝臓で、まずはアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)という酵素によって有害なアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸に変化。最終的にエネルギーとして活用されるか、無害な形で体外に排出されていきます。

 アルコールの利尿作用によりトイレの回数が増えて、尿とともにカリウムやナトリウムといった電解質が排出されてしまうことも、アルコール分解の効率を下げて、アセトアルデヒドの蓄積につながります。

 過剰な飲酒時に下痢をしてしまう人もいるでしょう。よくある勘違いが、この下痢によってアセトアルデヒドが早く体外に排出されているというもの。

 飲酒時の下痢は、アルコールで腸粘膜が刺激を受けているので、むしろ腸の水分吸収機能が低下してしまい、脱水を引き起こすリスクが生じます。脱水状態になると、アセトアルデヒドを分解するための水分が不足し、分解を遅らせてしまうのでご注意を。

 肝臓でのアルコール分解には大量のエネルギーを消費するため、このプロセスで発生する活性酸素種(ROS)が肝細胞に大きな負担をかけたり、肝臓での脂肪代謝が低下して脂肪が蓄積しやすくなってしまったりといった弊害もあります。「お酒を飲むと太る」とされているのは、こうしたメカニズムが関連しているのです。

アセトアルデヒドの分解のカギはタウリン

 アセトアルデヒドの分解を促進する主役となる栄養素のひとつが、タウリンです。栄養ドリンクの成分などで聞いたことがある人も多いでしょう。

 タウリンは、イカやタコなどの軟体動物、貝類や魚介類、肉類、乳製品などに多く含まれています。肝臓の機能を高め、解毒作用を助けてくれるアミノ酸の一種です。胆汁酸の合成や分泌を促進し、アルコールの分解を活発にしてくれます。

 また、肝細胞の再生を促し、肝臓の機能が安定することで代謝能力の向上、疲労回復にも役立ちます。

 10年以上、毎日27グラムのアルコール(エタノール)を摂取している36~48歳の男性5人を対象に、アルコール摂取1時間前・1時間後にタウリン(20ミリグラム/キロ(体重))を摂取してもらったところ、アルコール摂取1時間後には血中アルデヒド濃度が低下。2時間後、4時間後に確認しても、さらに低下していたという実験結果もあります。

 二日酔いの経験がある489人に、普段どんな二日酔い対策をしているかを聞いた調査では、「二日酔いを防ぐために空腹で飲酒をしない」(237人)が最多でした。飲酒前・飲酒時のおつまみのチョイスとしても、タウリンを含む魚介類などがおすすめです。また、食べる時間がない場合は、サプリメントやドリンクの服用も二日酔いの軽減に役立つでしょう。