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からだ・美容

二日酔いから早く回復するための食事 意外な組み合わせとは 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:谷口 英喜

二日酔いから早期復活できる、おすすめの朝・昼ごはんとは?

 二日酔いには、肝臓の働きをサポートできる、栄養素を意識した食事がおすすめです。

○シジミのみそ汁
 タウリン、オルニチン、ミネラル(亜鉛、鉄)、コリン、ナトリウム、水分を一度にとることが可能です。シジミに含まれるタウリンやオルニチンは、肝機能を活性化させ解毒を助けます。また、ミネラルは代謝をサポートし、みそのナトリウムは脱水症状を緩和。コリンは肝臓に入ったアルコールが脂肪となって蓄積するのを防ぎ、アルコールを早く体外に排出させる効果が期待できます。

 合わせる具材には、豆腐やネギがおすすめです。豆腐のたんぱく質が細胞の修復を助けます。ネギのビタミンKは血流を適切に保ち、抗炎症効果があるので、飲酒後の血液循環の乱れを改善し、頭痛などの二日酔い症状の回復を早めてくれます。温かいみそ汁は、肝臓の血流を良くし、アルコールの代謝を促進させるでしょう。

○焼き鮭と白ごはん
 タウリン、オメガ3脂肪酸、たんぱく質、ビタミンD、炭水化物をとることができます。シャケのタウリンとたんぱく質は代謝を促進し、オメガ3は炎症を抑えて胃に優しく、エネルギー補給に最適な食事です。

 ビタミンDには、アルコール摂取による体内の炎症軽減の効果が。炭水化物はアルコール代謝の際のエネルギー消費による血糖値低下に起因する頭痛や、疲労感を軽減してくれる効果が見込めます。

○トーストとアボカド
 アボカドのビタミンEやビタミンB群、脂質と、トーストの炭水化物が役立ちます。ビタミンEには抗酸化作用があり、肝臓の回復を助けます。ビタミンB群は代謝を促進し、脂質は多くがオレイン酸と呼ばれる一価不飽和脂肪酸のため、ゆっくりと消化・吸収されることで、飲酒で消耗した体に持続的にエネルギーを供給してくれることが期待できます。

二日酔いだけではない、タウリンのさまざまな効果

 二日酔いに効果があるタウリンは、体のあらゆるところに存在するアミノ酸。実は、ほかにもいろいろな働きをしてくれます。

 近年は、風邪やインフルエンザ感染症時の疲労などの症状を軽減してくれることがわかっています。また、筋肉の疲労回復、血圧やコレステロールの低下などの効果も。

 二日酔いにおける効果的な事前の対策、回復を早める方法を紹介しました。ほかにも、飲酒翌日は肝臓のアルコール代謝をサポートする時間を確保する、宴会中のおつまみも栄養素を考えたチョイスをするなども意識したいところです。

 そして何より、適度な飲酒を心がけることが大切です。

(Hint-Pot編集部)

谷口 英喜(たにぐち・ひでき)

医師、済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長。麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理のエキスパート。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。2024年5月に新刊「熱中症からいのちを守る」(評言社刊)が刊行。そのほかの著書に「いのちを守る水分補給~熱中症・脱水症はこうして防ぐ」(評言社刊)などがある。