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「メリークリスマス」と言うのはマナー違反? 日本人女性が驚いたイギリスとフランスとの違いとは
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この時期によく耳にする「メリークリスマス」のあいさつ。実は、海外ではあまり聞かれない言葉のようです。日本からひょんなことからイギリスに移住、就職し、海外在住歴7年を超えたMoyoさんが、外国暮らしのリアルを綴るこの連載。第50回は、クリスマスのあいさつについてです。
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街中では「メリークリスマス」を聞かない?
日本で、クリスマス当日やパーティーの際に「メリークリスマス」とあいさつしたことがある人は多いでしょう。テレビコマーシャルでも、出演者が声をそろえて「メリークリスマス」と言っていたり、クリスマスグッズに英語で書いてあったりして、クリスマスシーズンになると、この言葉を見ない日はないほどです。
しかし、これは日本のユニークな習慣のひとつかもしれません。実は、イギリスに住んでいたとき、「メリークリスマス」という言葉を聞いたことはそれほどありませんでした。
もともと、クリスマスはキリスト教徒が祝うもの。イギリスにはヒンドゥー教やイスラム教、ユダヤ教、そして仏教など、さまざまな宗教背景を持つ多民族が住んでいます。そのため、「メリークリスマス」はそぐわないという理由から、だんだんと薄まってきたようです。
それはビジネスにも関係してきます。私が勤めていた多国籍企業にも、社内にはさまざまな国籍や人種、宗教の人がいました。そのため、社外・社内コミュニケーションで発するメッセージは、一貫して「Happy Holidays」や「Season’s Greetings」でした。日本でなにげなく聞いたり、使ったりしていた言葉がポリコレに発展するのだなと、最初の頃は驚いたものです。
ただし、プライベートでは、そこまで神経質になっていませんでした。もちろん、相手がキリスト教でないことが明らかな場合は避けますが、「メリークリスマス」と言って何か問題に発展したことは、幸いにもありません。