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からだ・美容

妊活中の男性は「膝上パソコン」に要注意 精巣機能を高めるためにやってはいけない意外なこと

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部、小松原 千暁

睾丸の「圧迫」も大敵 タイトな下着は避ける

 温め以外に、「圧迫」も気をつけたいところです。ブリーフやボクサーパンツといったタイトな下着の着用は、陰嚢を圧迫して精子運動率の低下につながるリスクが指摘されています。

 同時に、陰嚢が体に密着して体温で温められることから、精子を作る働きが低下する可能性もあります。精子のためには、陰嚢を圧迫せず、下着内の熱を上げない、ゆったりとした通気性の良いパンツを選ぶようにすると良いでしょう。

 また、長時間にわたって自転車にのることも、妊活中であれば避けたほうが良いでしょう。睾丸を圧迫することになるため、陰嚢温度が上昇したり、血流が悪化したりする恐れがあります。圧迫による勃起力の低下も報告されています。

精子に良い環境づくりを心がける

 不妊の原因の約半数は男性にあるとされています。それにもかかわらず、知識不足などから「自分は大丈夫」と考え、男性側の意識や対応が遅れてしまうカップルもいます。精子の状態が悪くても、無精子症でも射精することは可能です。性欲の強さは、精子の濃度や運動率に関係ありません。

 精子や精液の状態は、生活習慣によって悪化したり、改善したりします。妊活中ならば、今すぐにでも精子にとって良くないとされる生活習慣や環境を見直しましょう。正しい知識を持って、カップルで妊活ライフを楽しんでください。

(参考)
“Impact of diurnal scrotal temperature on semen quality“(2002)
“Increase in scrotal temperature in laptop computer users”(2004)

(Hint-Pot編集部、小松原 千暁)

小松原 千暁(こまつばら・ちあき)

不妊症看護認定看護師、生殖医療コーディネーター、妊活支援ナース育成コーチ、日本生殖看護学会理事。不妊治療の専門クリニックに約20年間勤務した経験より、日本の性教育に妊娠する力の妊孕性(にんようせい)に関する情報が少ないことを実感。現在は生殖医療の看護師を指導する一方で、不妊治療を受ける患者さんや若い世代に向けて、自ら選択できるように妊活の正しい知識を広める活動を行う。妊活についての情報サイト「妊活の歩み方」でお役立ち情報を発信中。