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大雨などのトラブルで新幹線が運休や遅延 京都から品川まで「約11時間」かかった人の行動とは
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地震や、豪雨による河川の増水などの不可抗力により、新幹線が長時間、通常の運行ができなくなることもあります。これからの時期は、行楽での遠出や年末の帰省など、新幹線を利用する機会が増える季節。もしものときに落ち着いて行動するため、知っておきたい情報について、経験者や東海旅客鉄道株式会社(以下、JR東海)の東京広報室の担当者さんに、お話を伺いました。
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大雨の影響で乗車予定ののぞみが運休に
世界に誇る日本の新幹線は、正確な運行と、高速かつ快適な乗り心地が高く評価されています。ただ、まれに天候や停電などで大幅な遅延が発生することも。乗車中にそうしたケースに見舞われると、乗客は車内で待機せざるを得ません。
過去に、新幹線の運休や大幅な遅延に遭遇した晴美さん(仮名)。出張先の京都駅から品川駅まで、「約11時間かかりました」と振り返ります。通常ならのぞみで2時間強のところ、大雨により予約していたのぞみは運休。翌日の午前に予定があり、臨時ダイヤで名古屋行きのひかりが運行予定との情報を確認し、移動を決意したといいます。
「乗車予定だった夜8時台ののぞみが雨で運休になった時点で、京都に1泊して始発で帰ることも考えました。でも翌朝、確実に動く保証はなく、混雑も予想されます。途中スタックするにしても、できるだけ移動しておきたかったんです」
晴美さんは臨時ダイヤの新幹線を乗り継ぎ、途中で在来線も利用。夜8時半に京都駅を出発し、翌朝7時半前に品川駅に到着できたそうです。
安全を優先しつつ「できるだけ多くのお客様にご移動いただけるよう」
晴美さんが遭遇したような、天候などによる運休や速度規制。その判断には、どういう基準があるのでしょうか。
JR東海では東海道新幹線の開業以来、安全な運行を行うため、降雨に対する強化工事を実施しているといいます。担当者さんは「運転規制や速度規制は、補強工事の完了に伴い適宜、見直しを行っています。直近の大きな見直しとしては、2003年に時間雨量50ミリから60ミリに変更されました」と説明。現行の降雨規制値について、教えてくれました。
○降雨による運転規制
1. 1時間の雨量が60ミリ以上
2. 1時間の雨量が40ミリ以上かつ連続雨量(24時間雨量)が150ミリ以上
3. 連続(24時間雨量)が300ミリ以上かつ10分間雨量が2ミリ以上
4. 過去の経験雨量等を基に設定した土壌雨量指数
○降雨による速度規制(最高速度70km/h制限)
1. 1時間の雨量が50ミリ以上
2. 連続雨量(24時間雨量)が250ミリ以上かつ10分間雨量が2ミリ以上
また、長時間の運転見合わせをする場合は、利用者が負担の少ない旅行計画を検討できるよう、早めに列車運行への影響や見通しをアナウンス。安全を優先しつつ、運行時にもさまざまな対応を取っていると担当者さんは語ります。
「ご乗車中のお客様にご不便をおかけしないよう、走行中の列車をできる限り、駅間ではなく駅に停車。また、状況に応じて当日や前後の日に臨時列車を設定するなど、できるだけ多くのお客様にご移動いただけるよう努めています」