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「結婚はコスパが悪い」は本当? 世帯手取り年収に実は大きな差が 税理士が解説
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同じ世帯収入1000万円なら夫婦のほうが圧倒的にお得
ケース2は、世帯年収が1000万円の「独身者」と「夫婦世帯」の比較です。独身者は1人で1000万円の年収を稼ぎ、夫婦は600万円と400万円の合わせて1000万円の世帯年収があるとします。
世帯年収は同じでも、手取りは1年で63万円以上も違ってきます(図参照)。年間63万円ですから、10年経てば630万円の差! これはけっこう大きいですよね。
世帯年収が同じでも、2人で稼いでいれば、それぞれが所得税の累進税率で低い税率を利用できます。基礎控除なども2人分受けることができるので、1人で稼ぐよりも圧倒的にお得になるのです。
このように、税金や社会保険・手当といった点については、独身者のほうが圧倒的に「コスパ悪し」です。
一方で、自由に使えるお金は、独身者のほうが多いかもしれません。自分の稼いだお金をどう使っても、誰にも文句を言われないからです。配偶者がいると、「そんな高いエステ、必要?」「キャバクラとか行かないでよね」と釘を刺されることもあるでしょう。
しかし、独身者はそういったことがないため、コスト感覚がゆるくなり、出費が多くなってしまう可能性もあります。「独身はコスパが良い!」との思い込みで自由な出費を続けていると、老後の不安がセットでついてくるかもしれません。
(板倉 京)
板倉 京(いたくら・みやこ)
1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。