仕事・人生
「私からお願いしての白髪染めはやめてもらいました」 加藤茶さんの老いと正面から向き合えるように 綾菜さんに起きた大きな変化
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加藤茶さんと結婚して14年になる、加藤綾菜さん。45歳という歳の差婚で、気になるのは夫の「老い」との向き合い方です。綾菜さん自身、これまで茶さんの健康をサポートするためにさまざまな努力をし、向き合ってきました。しかし、茶さんが80代になり、心に大きな変化があったといいます。
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母から「変わった夫婦の形だ」と言われてびっくり
ちーたん(加藤茶さんのこと)との結婚生活も、はや14年が過ぎました。今年、夫婦そろって驚いたことといえば、友人からの結婚記念日サプライズでした。我が家がお祝いすることといえば、お互いの誕生日とクリスマスとお正月、あとは愛犬関連のことくらいでしょうか。なので、結婚記念日は忘れがちなので、突然ケーキや花束が登場したときは、ちーたんと顔を見合わせて「何? 何?」となるほどでした。
そんな感じなので、夫婦円満かと聞かれると、けんかもあまりないし、何がどう円満なのかわからなくなってきました。ほかのご夫婦みたいに超ラブラブという感じではないですね。
1日1回は会話することを心がけていますが、ふたりでしっとり、ゆったり時を過ごしている感じ。それと、気をつけているのは母から言われた「好きな人に勝とうとするな」という教えです。私は口が達者だし、ちーたんも70代はイケイケガツガツで、言いたいことはきちんと言うほう。だから、けんかになることが多かったんです。
でも、ちーたんがだんだん言い返さなくなってきて。年齢とともにそうしたことにエネルギーを割くのではなく、仕事のために体調を気遣うことにエネルギーを使うようになってきました。本当にかわいいおじいちゃんになってきた感じ。自分の子どもみたいな感覚もあって、母からは「変わった夫婦の形だ」と言われました。それで、うちは特殊なんだなって思ったんです。
健康でいてほしいゆえに、ひとりでイライラしたことも
あと、ちーたんが80代になって大きく変わったことのひとつが、私自身がちーたんの「老い」に真正面から向き合えるようになったこと。
結婚したときは23歳で、介護に一切関心がありませんでした。その後、ちーたんは何回か大病をしていて、そこから真剣に介護の勉強をして「介護食アドバイザー」「介護福祉士実務者研修」といった資格を取り、自分なりにちーたんの「老い」を受け入れていたつもりでした。
それでもどこかで、「健康に気を遣って食事を作っているのに、なんですぐ風邪をひくの?」とか、「健康のためにウォーキングしてほしいのに、どうしてやってくれないの?」とか思っている自分がいて。本人に面と向かって言いはしませんでしたが、私ひとりがイライラしていました。
それと、80代になるまで、白髪を見つけるとすぐ髪を黒く染めてもらっていたんです。いつまでも“おしゃれでかっこいい加トちゃん”でいてほしいと思っていました。でも、80歳になったら、ふと受け入れられる瞬間が来たんです。
それで最近は、私からお願いしての白髪染めはやめてもらいました。そのため、今は白い毛が混じっていることもしばしば。でも、そうした姿がより愛おしいと思うようになりました。