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「それがアメリカ式」 日本人女性が息子の小学校でびっくり 「転校生」にまつわる大きな違いとは
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家や引っ越しに対する考え方が日本と大きく違うアメリカ
思い返せば、ロコ男はキンダーガーデンから今の学校に通い始めて3年目。これまで、新しい学年に進級するタイミングで転校していく子や転校してきた子はもちろん、学年の途中で転校していく子や転校してきた子もいました。それどころか、学期途中のなんでもない日に転校した子がいるほど、ハワイにおいて(おそらくアメリカ本土も)転校自体はよくあること。
翻訳サイトで調べてみると、転校生は英語で「Transfer Student(トランスファー・スチューデント)」というようです。しかし、周囲はもちろん、本人ですら「あの子は(私は)トランスファー・スチューデントだ」などと意識していないでしょう。
文化の違いだなぁと、つくづく思います。
たとえばアメリカ人は家を買う際、投資を目的としていることが多いです。35年ローンを組んだとしても、35年間その家に住もうと思っている人はほとんどいません。
築年数が10年、20年、30年と経っても、よほどの経済危機でもない限り、家の価格は少しずつ上昇します。だから、家を売ることで利益を得て、ハワイより安くて広い家が買える他州に引っ越しする人がとても多いのです。
とくにコロナ禍が落ち着き、ハワイの不動産価格が上昇している昨今は、私の周りでもハワイから出ていく人たちが増えました。ちなみに、ハワイからの引っ越し先として人気なのはテキサス州、アリゾナ州、そしてラスベガス(ネバダ州)です。
アメリカ人のこういった家や引っ越しに対する考え方が、転校生という“肩書き”を生まない理由のひとつなのではと個人的に思います。
日本で、転校生として居心地の悪い思いをしたロコ男は、いまだに「もう転校生になるのは嫌だ」と訴えてきます。「あなたは日本人でもあり、アメリカ人でもあるのだから、両方の環境に対応できる人間にならなきゃ!」と、母として強い態度を示しつつ、心の中では「ごめんよ、ロコ男」とつぶやいている私なのでした……。
(i-know)

i-know(いのう)
大学卒業後、即フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。大好きな東方神起に取材できたことを機に、日本のキャリアに一区切りをつけ、2013年、単身ニューヨークへ。2015年、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(7歳、4歳)を完璧なバイリンガルに育てるべく奮闘している。