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モヤシを長持ちさせるには 水に浸して保存する方法をおすすめしない理由 栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

水に浸しておくと流出してしまう栄養成分がある

 緑黄色野菜と比較すると栄養価は低くなりますが、モヤシの栄養メリットを摂取するためには、長期間水に浸さないことがポイントになります。「水洗いは手早く」が鉄則です。ビタミンCや葉酸などのビタミンB群、カリウムは、水に溶けてしまう性質があります。

 長持ちさせるために、袋から出したモヤシを密閉容器に入れ、かぶるくらいの水を加えてフタをし冷蔵保存する方法もありますが、栄養素損失の観点からおすすめしません。また、汁ごと食べるスープなら良いですが、ゆでると栄養成分が流出してしまいます。調理時は、電子レンジの加熱を活用すると良いでしょう。

 モヤシを買ってきたら、袋に爪楊枝などで穴を開け、野菜室よりも冷蔵室やチルド室で保存すると長持ちします。また、使い切れない場合や使わない場合は、冷凍保存も可能です。さっと水洗いして、水気をキッチンペーパーなどでしっかりと切ったら冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫へ。調理の際はそのまま使いましょう。シャキシャキ感は少なくなりますが、炒め物や汁物などで重宝します。

栄養があるヒゲ根も食べよう

 下処理でヒゲ根を取るといわれるのは、しなっとした食感、茶色い見た目を除くためです。シャキッとした食感や、見栄えが良い料理に仕上げたい場合は取り除いたほうが良いですが、栄養面でいうとデメリットもあります。

 ヒゲ根もモヤシの一部ですので、ビタミンCやミネラルなどの栄養素が含まれており、とくに食物繊維が多いといわれています。家庭で調理して食べる際、とくに食感や色合いなどを気にしないときは、そのまま食べるほうが手軽で栄養素の損失も少ないでしょう。

 野菜の高騰が気になる時期。できるだけ栄養を逃さずとる工夫をしていきたいところです。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾