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シャネルを売った日、わいてきた感情は「30代の私、ありがとう」 バブル世代の“還暦準備”「ものを減らすことは自分を知ること」
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ファッション断捨離の“極意”「二軍は持たず、一軍だけで暮らしていこう」
ファッションに関して実感しているのは、「すべての服は消耗品である。一生ものの服はない」ということ。そして、山脇さんは「ベスト10作戦」の整理整頓に取り組んでいます。今自分が好きな10個を選ぶという方法です。
「二軍は持たず、一軍だけで暮らしていこう、という考えです。大事な人に会いに行く時に着ていく服を一軍として選んでおけば、何を着ていくのかに迷いがなくなります。食器で言えば、ごはんを食べる時に気分が上がるものってなんだろう? と見極める作業になっていきます。そうやって自分が1番好きなものを選びながら、ものを減らすことは、自分を知ることにもつながります。先日、夫にもTシャツのベスト10を選んでもらったのですが、夫はすごく面白がっていました。けっして洋服を買わないということではなく、今の自分を知ってフィットさせる、人生の新陳代謝のプロセスも大事にしていきたいです」。楽しみながら自分を知る。素晴らしいライフスタイルですね。
よき理解者で、ずっと味方でいてくれた母。悲しみから気付いた、家族の人間関係における大切なことがあると言います。
「身近な家族を褒めてあげることって、なかなかないですよね。どうしても機嫌が悪い状態で接してしまう。イラっとして言い合ってしまう。でも、もし親がいなくなったらと想像して感じる悲しみと、本当にいなくなる悲しみは全然違います。本当に1番大切な人には機嫌良く接することです。私は母に甘えてしまって……。後悔から学んだことでもあります。私自身、この後の人生は、大切な人たちに、気持ちよく接していきたいです」。山脇さんは真摯(しんし)なメッセージを寄せてくれました。
◇山脇りこ(やまわき・りこ)
料理家としてNHK「きょうの料理」などのテレビ番組や新聞・雑誌で、旬を大切にしたシンプルな手順で作りやすいレシピを提案。著作も多数で、旅のガイドブック『食べて笑って歩いて好きになる 大人のごほうび台湾』(ぴあ)など台湾3部作もある。ひとり旅の楽しさを綴った『50歳からのごきげんひとり旅』(大和書房)がベストセラーになり、文筆家としても活躍の場を広げている。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・吉原 知也)