からだ・美容
花粉飛散量は平年の1.6倍 花粉症の症状別おすすめ市販薬をベテラン薬剤師に聞いた
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鼻づまりには「ステロイド単剤の点鼻薬」がおすすめ

――鼻がつまる場合は、どういった市販薬がおすすめなのでしょう?
「鼻づまりでは、ステロイド配合の点鼻薬を使いましょう。ステロイドがアレルギー反応を抑え、鼻の炎症をしっかり抑えてくれます。具体的なおすすめの市販薬は、『ナザールαAR0.1%』もしくは『ナザールαAR0.1%C』(いずれも佐藤製薬)。
こちらはステロイド単剤の点鼻薬のため、眠くなる成分や血管収縮剤が入っていません。同じシリーズで血管収縮剤が含まれるものもあるため、確認して選びましょう。血管収縮剤は鼻づまりに即効性がありますが、繰り返し使うとかえって鼻づまりが悪化してしまうため、おすすめしません」
――人によっては、「ステロイドが体質的に合わない」といった方もいるかと思います。ステロイドが使われていない、おすすめの市販薬はありますか?
「抗アレルギー成分、クロモグリク酸ナトリウムの入った『エージーアレルカット』シリーズ(第一三共ヘルスケア)がおすすめです。ただ、こちらは血管収縮剤や眠くなる成分が入っているので、注意して使用する必要があります」
アレルギー目薬は「かゆみ止めの成分量がポイント」
――目のかゆみには、どういった市販薬がおすすめなのでしょう?
「アレルギー目薬は一般的に、値段に比例して成分がたくさん入っています。ただ、入っていてもあまり効果に差がないこともあるので、かゆみ止めの成分量がポイントです。おすすめは『マイティアアルピタットEXα』シリーズ(千寿製薬)。
同社の関連製品で、価格の安い『マイティアアイテクトアルピタット』シリーズと比べ、かゆみを抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量が2倍。より高価格の『マイティアアルピタットExα7』シリーズと、同成分の含有量は変わりません。かゆみを抑える成分量が同じ、『ロート アルガード クリアブロックZ』(ロート製薬)も良いでしょう」
――そのほかにも、症状を緩和する市販薬はありますか?
「症状によって、サポートアイテムをすすめることもあります。のどにまで症状が出てイガイガする際は、粘膜を修復する働きや炎症を抑える『アズレン』配合のうがいやスプレーを使いましょう。『龍角散』を携帯するのも◎。また、花粉を洗い流すと症状が軽減されるので、洗眼薬や鼻うがいを活用するのも良いと思います。
そのほか、肌が赤くなったりピリピリしたりした場合は『セラミド』配合の敏感肌用化粧品を試してみると良いでしょう。しっかり保湿して肌のバリア機能をアップすると、花粉の刺激から肌を守ってくれます。
症状別の市販薬やサポートアイテムでも良くならない場合、耳鼻科を受診すると、より強いお薬を処方してもらえます。症状が改善しないときは、きちんと病院で診てもらってくださいね」
パナソニック株式会社が昨年行った調査「花粉症による労働力低下の経済損失額2024」によると、その経済損失額は1日あたりで約2340億円に相当すると試算されています。コンディションを整え、訪れる春を快適に過ごすためにも、しっかり花粉症対策をしたいですね。
(Hint-Pot編集部)