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「子どもに嘘をつくイベントが多いね」 日本人ママがアメリカの子育てで驚いたこととは

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

サンフランシスコで行われた、セント・パトリックスデーのパレードの様子【写真:Getty Images】
サンフランシスコで行われた、セント・パトリックスデーのパレードの様子【写真:Getty Images】

 アメリカ・ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現地で2人の子どもを育てている46歳・主婦ライターのi-know(いのう)さん。第32回は「サンタや妖精のイベントはいつまで?」と題し、日本ではなじみの薄いセント・パトリックスデーを通して考えた、西洋の妖精文化についてお伝えします。

 ◇ ◇ ◇

アメリカでは子どものイベントに大きく関わっている妖精

 毎年3月17日は、セント・パトリックスデー!

 ……と言って、ピンとくる日本人はそれほど多くないと思います。これは、アイルランドにキリスト教を広めたパトリック司教の命日。アイルランドでは、1200年以上前からお祝いされています。

 アイルランドからの移民が多いアメリカでも、セント・パトリックスデーには、テーマカラーである緑色の洋服を着た人々がパレードをしている様子を見ることができます。また、友人が住むシカゴでは街中の川を緑色に染めるなど(自然に優しい塗料を使用)、大々的にお祝いするそうです。

セント・パトリックスデーのテーマカラーである緑色のTシャツを着て、子どもたちが登校することも【写真:i-know】
セント・パトリックスデーのテーマカラーである緑色のTシャツを着て、子どもたちが登校することも【写真:i-know】

 アイルランド出身でなくとも、子どもたちは緑色のTシャツを着て学校に行きます。さらに、家庭では絵の具でトイレの水を緑色に染めて「これは“レプリカン”という、アイルランドの妖精のいたずらなんだよ」と楽しむことも。ちなみに、これを実践した友人は、便器についた緑色が落ちずに苦労したそうです(その話を聞き、我が家の実施は断念しました)。

 アメリカで子育てをして気づいたのですが、この国では妖精などの目に見えない存在が、子どものイベントに大きく関わっています。

 前述のレプリカン以外にも、クリスマスには、日本ではあまりなじみがない“エルフ”という妖精が現れます。

 エルフの起源は北欧神話です。そのなかでは悪魔的に描かれていますが、いつしかサンタクロースのお手伝いをする妖精に昇格。クリスマス前に、子どもがいる家庭に人知れず住みつき(親がこっそりと人形を買ってきて演出)、子どもが良い子にしているかどうかを常に観察します。その様子をサンタクロースに報告して、良い子ならプレゼントがもらえる……という、大人に都合の良いストーリーです(笑)。

 友達同士で「エルフ来た?」「うちには来たよ!」という会話が交わされるため、我が子もエルフを心待ちにしていました。しかし、「サンタクロースがプレゼントをくれる」というだけでも子どもたちを騙しているような心苦しさを感じる私は、エルフを採用していません。