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「子どもに嘘をつくイベントが多いね」 日本人ママがアメリカの子育てで驚いたこととは

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

親としては「そろそろやめたい」イベントとは

トゥース・フェアリーという習慣も浸透している(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
トゥース・フェアリーという習慣も浸透している(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 さらに、アメリカ生活で私を苦しめる妖精がもうひとつあります。その名も“トゥース・フェアリー”。日本語で言うと、歯の妖精です。

 トゥース・フェアリーが現れるのは、サンタクロースと同じく子どもが寝ているとき。抜けた乳歯を枕の下に置いておくと、トゥース・フェアリーが乳歯の代わりにお金をプレゼントしてくれるというイベントです。

 金額は25セント硬貨が一般的ですが、1ドル札やお絵描き帳など、子どもの好きなものをあげる家庭も。当然、親が夜中にこっそりすり替えているのですが、簡単に見えて、これがなかなかひと苦労です。たとえば、次のようなトラブルが起きます。

1. 子どもが枕に頭を乗せたままだとすり替えが難しいので、頭が枕からはずれるのを待っていたら深夜2時になった。
2. うっかりすり替えるのを忘れて寝てしまい、翌朝、子どもが「トゥース・フェアリーが来てくれなかった……」と悲しむ。その場合、「昨日は歯が抜けた子が多くて忙しかったのかもね。明日はうちに来てくれるよ!」と慰めなければいけない。
3. ほかのきょうだいが先に枕の下のお金を発見して、歯が抜けたほうの子どもが怒る。

 上の子は今年で8歳。「トゥース・フェアリーはいないんだって!」「サンタクロースはお父さんなんだって!」と学校の友達から聞いてくるお年頃なので、親としては「そろそろやめたい。でも下の子はまだ信じているしな……」と、日々葛藤しています。

 夫に「アメリカは、妖精を使って子どもに嘘をつくイベントが多いね」と嫌味を言ったら、「日本にだって、なまはげや節分の鬼がいるじゃん。小さな子どもは実存する生き物だと思っているんでしょ? トラウマになりかねないものより、妖精のほうが僕は良いと思うよ」と言われて、ぐうの音も出ない私なのでした。

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。