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子どもの健やかな成長のために無理せず寝かしつけ 「家庭の状況に合わせた工夫」をカウンセラーが解説
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未就学の子どもを寝かしつけようとしても、なかなか寝つかずぐずることはありませんか。週末や長期休みはつい家族で夜更かしをしてしまい、その影響で平日の生活リズムが崩れてしまうこともあるかもしれません。夜更かしが子どもに与える影響について、公認心理師でカウンセラーの町田奈穂さんに詳しい話をお伺いしました。
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夜更かしなど睡眠不足が子どもに与える影響とは
睡眠は、子どもの成長に欠かせない大切な時間です。深い眠りにつくことで分泌される「成長ホルモン」は、子どもの骨や筋肉の発育、細胞の修復を促進するだけでなく、記憶をしっかり定着させたり、新しいことを学ぶ力を高めたりするなど、心身の発達に重要な役割を果たします。
近年、国内外の研究で、夜更かしによって寝る時間が遅くなったり、十分な睡眠が取れていなかったりすると、子どもの記憶力やIQに悪影響を及ぼすことも明らかになっています。
さらに、睡眠不足は脳の働きだけでなく、情緒面や体調面にも及ぶことが指摘されています。十分に眠れていない子どもはイライラしやすく、些細なことで泣いたり怒ったりしやすくなることも。その結果、友達とのトラブルが増えたり、話を落ち着いて聞けなくなったりするほか、夜遅くまで起きていると疲れやすく、体調を崩してしまうケースもあるでしょう。
子どもは10~12時間の睡眠が必要
3~6歳の未就学の子どもは、10~12時間の睡眠が必要とされています。夜8時から9時までには眠り、朝は7時くらいに起きるのが理想です。子どものうちから早寝早起きの習慣を身につけることで、体内時計が整い、生活リズムの安定につながります。
その結果、日中の活動が活発になり、夜は自然と眠くなる良循環が生まれるでしょう。朝にすっきり目が覚めるようになり、食欲が湧いてごはんをおいしく食べられるようになれば、元気に遊んだり、集中して話を聞いたりできるようになります。
良い睡眠のためには日中の過ごし方が重要
夜更かしを避け、より良い睡眠を取るためには、日中の過ごし方が重要です。朝になったら、子どもに太陽の光をしっかりと浴びさせるよう心がけましょう。昼間にたくさん体を動かして遊ぶと、夜になる頃には自然と眠くなります。
ごはんや入浴など、日常のルーティンをできるだけ決まった時間にすることもポイントです。寝る時間の2時間前までに夕食や入浴を終わらせることで、体の中の消化活動や体温の調整がスムーズに進み、眠りやすくなります。