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子どもの健やかな成長のために無理せず寝かしつけ 「家庭の状況に合わせた工夫」をカウンセラーが解説
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寝る前の環境作りも大切
夕方以降は、部屋の照明を暖かみのある色のライトに変えて、徐々に暗くしていったり、テレビやゲームの時間を減らしたりするなど、少しずつ“寝るモード”にしていきましょう。静かで落ち着く環境を作ることを心がけてください。夜はテレビやスマートフォンを消して、親子の会話を大切にする時間にするのもおすすめです。寝つきやすくなるだけでなく、子どもの心の安定につながり健康や知的能力にも良い影響を与えるといわれています。
寝る部屋を「寝るための場所」として整えることも大切です。おもちゃやゲームなどの興奮するものは寝室から遠ざけると、「この部屋では遊ぶのではなく、寝るんだ」と子ども自身が理解し、布団に入ると自然と眠るスイッチが入りやすくなります。
布団に入ったら、優しく声がけすると眠りにつきやすくなりますよ。ぬいぐるみやお気に入りの毛布など、子どもが安心できるものをそばに置いてあげるのも良いでしょう。また、温度調節も重要なポイントで、夏は25度くらい、冬は18~20度が快適とされています。
週末や休みの日、帰宅が遅くなった場合の工夫
週末や休みの日に大きく生活リズムがずれてしまうと、リズムが元に戻るまで時間がかかってしまいます。土・日曜日やお休みの日も、平日と同じ時間に起きて寝ることが大切です。親が夜更かしをしていると、子どもも「まだ起きていて良いのかな?」と寝ないことがあるため、できれば親も一緒に早寝を心がけ、家族みんなで「いつもと変わらない生活」を意識することをおすすめします。
前述しましたが、良い睡眠のためにも、夕飯や入浴は寝る2時間前が理想です。しかし、仕事の都合などで保育園のお迎えや帰宅時間が遅くなり、難しいこともあるでしょう。事前に予定がわかっていれば、すぐに食べられるものを準備しておいたり、浴槽のお湯張りのタイマー機能を活用して帰宅後すぐに入浴できるようにしたりする工夫も大事です。
どうしても夜のルーティンが遅れ、寝る時間がいつもよりも遅くなってしまうときは、可能であれば朝のリズムをゆっくりにし、睡眠の量をしっかり確保するのも方法のひとつです。
子どもの健やかな成長のために、家族みんなで規則正しい生活リズムや、睡眠の環境作りを心がけていきたいですね。
公認心理師、臨床心理士。同志社大学大学院在学時より睡眠障害や発達障害に苦しむ人々への支援や研究活動を行う。修了後は学校やクリニックを経て、「大阪カウンセリングセンターBellflower」を設立。不眠症のカウンセリングやメンタルヘルス支援などを行う。現在は、臨床・研究活動に加え、インクルーシブな職場づくりをサポートする人事コンサルタントとしての活動している。
(Hint-Pot編集部)