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エリンギの根元はどこまで食べて良い? 無駄なく食べるコツを栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

パックに入ったエリンギ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
パックに入ったエリンギ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 一年を通して比較的、安定した価格で手に入るキノコ類。家計の強い味方です。なかでもエリンギは、切り方で食感が変わり、さまざまなメニューで楽しめる優れもの。キノコというと下処理の際に石づきをカットしますが、エリンギの場合、どこまでが石づきなのか悩むことも。エリンギを無駄なく食べるポイントなどを、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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市販のパック入りのエリンギに石づきはない

 スーパーマーケットで売られているパック入りのエリンギに、石づきはありません。エリンギは、ブナシメジやエノキダケなどと同様に「菌床栽培」されます。これは、おがくずやふすまなどを練り固めた培地を、瓶などの容器に入れて植菌する方法です。

 店頭に並ぶ際、ブナシメジやエノキダケの場合は、菌床部がついたままの状態が一般的なので、下処理として石づきを切り落として調理します。しかし、エリンギの場合は収穫後、菌床部が切り落とされて出荷されるので、端を切り落とす必要はありません。基本的には、すべて食べられます。

 エリンギの端に茶色い線が入っていることがあります。この線の下が石づきだと思われがちですが、そうではありません。この線は、エリンギが育つ過程でついた容器の跡です。食感は多少硬めですが、線の下も問題なく食べられます。どうしても端の硬さが気になる際は、鉛筆を削るように、斜めに薄く切り落とすと無駄がないでしょう。

 また、清潔な密室で菌床栽培されるので、土や泥が付着することはありません。水洗いをすると風味や栄養成分が流れ落ちてしまうので、キッチンペーパーや乾いた布巾などで優しく表面を拭き取る程度で良いでしょう。

エリンギは食物繊維がたっぷり

 エリンギは日本に自生しておらず、人工栽培のものです。1990年代に愛知県で栽培方法が確立されて以降、急速に日本の食卓に広がったといわれています。

 低カロリーながら多くの栄養成分を含み、なかでも食物繊維が豊富。整腸作用があるほか、脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して体外へ出す働きもあり、コレステロール値や血糖値、血圧などが気になる人の生活習慣病対策にも役立つでしょう。また、弾力のある歯ごたえの良さは、マツタケの食感に似ているともいわれています。

 また、余分なナトリウムや水分を体外に排出し、水分バランスを保つ働きがあるカリウム、カルシウムの吸収を促進し、骨軟化症を予防するビタミンDも多い特徴があります。ビタミンDは、30分程度紫外線に当てるだけで増えるので、栄養メリットをたくさん摂取したいときはエリンギを皿などにのせて、日の当たる窓際に置いてから調理すると良いでしょう。