Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

カルチャー

「ほかの国では考えられない」 日本へ移住した外国人 暮らしてみて驚いた“当たり前”とは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

「他人のことを思いやる国民性だと思いました」

ALTのサポートの仕事をするニコラスさん【写真提供:ニコラス】
ALTのサポートの仕事をするニコラスさん【写真提供:ニコラス】

 さらに、日本の交通事情にも驚いたといいます。

「日本には車、バス、電車、自転車などさまざまな交通機関があり、そこまでひどい渋滞が起こらないことにもびっくり。電車やバスがほぼ遅れずに来るという点は、本当に素晴らしいですね。母国では、ほとんどの人が車を使います。自転車に乗る人はほぼいませんし、大人も子どもも歩かず車で移動します。そのため、どこもかしこも渋滞ばかり。日本では、通学や買い物のために歩く人が多いことにも驚きました」

 かつては、トリニダード島全域に政府が運営する鉄道がありましたが、1968年にすべて廃止され、現在は車や小型バスでの移動がほとんどだといいます。車での移動が多いため、クラクションの音が街中に響き渡るのも日常の風景です。

「日本は、本当に静かです! クラクションの音はもちろん、バスや電車の中でうるさく話をする人がいないし、夜になったら掃除機をかけたり、洗濯機を回したりもしない。法律で決まっているわけではなく暗黙のルールがあり、それを守っている人が多い。ほかの国では考えられないくらい、他人のことを思いやる国民性だと思いました」

チップがないのに日本の接客はすごい

トリニダード・トバゴでの写真【写真提供:ニコラス】
トリニダード・トバゴでの写真【写真提供:ニコラス】

 そして、やはり驚いたのは、日本のホスピタリティの高さです。トリニダード・トバゴのホテルやレストランでは、10~20%程度のチップを渡す必要があります。一方、日本ではチップ文化がないにもかかわらず、素晴らしい接客を受けることができることに感激したそう。

「ファストフード店ですらも、日本は接客が素晴らしい。チップがないのに、こんなにいいサービスを受けられるなんて、日本以外にはないと思います。驚いたといえば、レストランで店員さんを呼ぶときに、他国なら『すみません!』とアピールする必要があります。しかし、日本では呼び出しボタンを押せばいいだけの店が多いことにびっくり。初めてそのシステムを見たときは、信じられませんでした」

 日本人にとっては当たり前のサービスでも、ニコラスさんが驚いたことはほかにも。

「コンビニエンスストアで税金が支払えるシステムが整備されている点も、驚きでした。母国では、役所などに行かないと税金が払えないんです。日本では光熱費など、なんでもコンビニで支払えて、本当に便利だと思いました」

 日本の利便性の高さに、移住早々から度肝を抜かれていたというニコラスさん。次回は、日本での生活に慣れたニコラスさんが、帰国時に受けた“逆カルチャーショック”について伺います。

(和栗 恵)