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更年期世代はバナナを毎日食べても良い? 「栄養豊富=高カロリー」のイメージも 管理栄養士に聞いた
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教えてくれた人:藤田 えみこ

皮をむくだけで食べられる手軽さと、やわらかく甘い味わいで幅広い年代から好まれるバナナ。おいしいだけではなく、栄養豊富なことで知られています。栄養価が高い分、カロリーなども気になりますが、更年期世代が毎日食べても良いものなのでしょうか。バナナについて、管理栄養士の藤田えみこさんに伺いました。
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バナナは意外にも低カロリー 1日1本を目安に
更年期世代は、ホルモンバランスの影響や筋力の衰えによって、便秘やむくみ、疲労感などの悩みがあるでしょう。また、コレステロール値や血圧の上昇が気になることも。こうした更年期特有の悩みを軽減するためには、まず生活習慣全般を整えることが大切です。とくに食事では、食材の栄養メリットやバランスを意識したいところ。
甘い味わいから高カロリーと思われがちなバナナですが、中サイズのバナナ1本(約100グラム)で約93キロカロリーなので、意外に低カロリーです。とくに持病がなければ、バナナを毎日食べても問題ありません。バナナしか食べないなど偏った食生活はもちろんNGですが、1日1本程度を目安に取り入れると良いでしょう。
更年期にうれしい栄養成分とは
バナナには、更年期世代が日々摂取したい栄養成分が豊富に含まれています。主な成分は次の通り。
まず、食物繊維です。とくに不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らみ、腸壁を刺激することで便通を促進。また、水溶性食物繊維は、腸内環境を整えたり、血糖値の急激な上昇やコレステロールの吸収を抑制したりする効果が期待できます。
2つ目は、カリウムです。体内の水分バランスを調節し、むくみの軽減や血圧のコントロールをサポートします。バナナは、一般的な果物のなかでも、カリウムの含有量が比較的多い果物のひとつです。
3つ目は、ビタミンB群です。なかでも、糖質代謝を促すビタミンB1、脂質代謝を促すビタミンB2は、エネルギーをスムーズに作るために欠かせない栄養成分。また、たんぱく質の分解や合成を助けるビタミンB6、貧血予防が期待される葉酸などもバランス良く含まれています。
バナナを食べるならいつ? 一緒にとりたい食材とは
このほか、バナナに含まれるトリプトファンは“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンのもとです。バナナにはトリプトファンの吸収を助けるビタミンB6もあるので、セロトニンの生成を効率良くサポートすると考えられます。更年期特有のイライラや落ち込みなどが気になる場合、メンタルバランスを整えるのに役立つでしょう。
加えて、セロトニンは快眠にも関係するホルモンです。夜になると睡眠を促すメラトニンに変わるので、朝にバナナを食べると、その夜の良質な睡眠に効果的と言えるでしょう。バナナは皮をむくだけですぐに食べられるので、忙しい朝にも手軽に取り入れられます。
バナナは熟してから食べると、ビタミンCやポリフェノールの抗酸化力が高まるといわれています。皮に「シュガースポット」と呼ばれる茶色い斑点が現れたら、熟したサイン。食べ頃を味わいましょう。
また、組み合わせると良い食材に牛乳があります。バナナのカリウムと牛乳のカルシウムは、どちらも高血圧を防ぐ働きがあり、相乗効果に期待。おすすめはホットバナナミルクです。マグカップに1/2本のバナナを入れ、牛乳を注ぎます。電子レンジで加熱したら、バナナをスプーンでつぶしながら、よく混ぜるだけです。お好みでシナモンやジンジャーパウダーを振りかけてください。朝食や間食にぴったりです。
バナナを選ぶ際は、付け根が硬くしっかりしていて、全体が黄色く、ムラや傷がないものにしましょう。冷蔵庫に入れると低温障害を起こして、皮が黒く変色します。吊るして保存するのがおすすめです。
食べ頃のバナナをおいしく味わい、栄養を上手に生かしましょう。適量を日々の食卓に取り入れ、更年期の体調管理に役立ててください。
(Hint-Pot編集部)