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冷蔵保存すべき調味料、冷蔵NGな調味料とは? 開封後の保存のポイントを栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
製造や種類によって保存方法が異なる調味料
酢や酒、みりんについては、製造方法や種類によって開栓後の保存方法も異なります。いずれも、フタをきっちりと閉め、立てて置きましょう。
○酢
「穀物酢」や「米酢」などは、主成分である酢酸本来の防腐作用が働いているため、開封後も常温保存できます。賞味期限は1年程度。過ぎてしまったら、掃除などに活用を。一方、「すし酢」や「ポン酢」など酢に混ぜものをしたタイプは、常温だと傷みやすいので、開栓後は冷蔵保存します。賞味期限はパッケージを確認してください。
○酒
酒に食塩などを加えた一般的な「料理酒」の場合は、開栓したら冷蔵保存が基本です。一方、清酒のみで作られた「料理用清酒」は、アルコール度数が高いので冷暗所で常温保存できます。
○みりん
「本みりん」の場合は、アルコール度数が約14%あるので、酒と同じように開栓後も冷暗所で常温保存ができます。冷蔵庫で保存すると、本みりんに含まれる糖分が結晶になることがあります。「みりん風調味料」はアルコール度数1%未満で、本みりんを真似て糖類や酸味料などを加えたものです。開栓したら冷蔵保存します。
開封後に常温保存が可能な調味料でも、春先の気候では問題ありませんが、近年の高温多湿の夏場は、風味が多少変わっても冷蔵庫で保存したほうが良い場合もあります。
冷蔵保存が向かない調味料
砂糖や塩は、カビや細菌が繁殖する水分がほとんどないため、賞味期限の記載がない保存性の高い調味料です。実は、冷蔵保存に向きません。
○砂糖
温度や湿度の変化を受けやすく、固まりやすい特徴があります。出し入れで温度や湿度が変化する冷蔵庫は向きません。砂糖をサラサラのまま保存したい場合は、冷暗所で常温保存します。
○塩
砂糖と同じように、温度や湿度の影響を受けやすいので、温度や湿度の変化が少ない場所で保存しましょう。冷蔵庫に入れてしまうと、出し入れの際の温度や湿度変化で結露し、水分を含んで固まってしまいます。また、匂いがつきやすいので、開封したら密閉力の強い容器に入れて、冷暗所で保存するのがおすすめです。
適切な調味料の保存を知って、日々の料理をよりおいしく楽しみましょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾