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農家の嫁が語る旬野菜「芽キャベツ」 キャベツの赤ちゃんのようでそうではない

公開日:  /  更新日:

著者:こばやし なつみ

真上から見たところ。芽キャベツは葉の下の茎に沿って生える【写真:こばやしなつみ】
真上から見たところ。芽キャベツは葉の下の茎に沿って生える【写真:こばやしなつみ】

育ち方も見た目もユニーク 大きな葉を広げて一株に60~70球も

 成長過程は、同じアブラナ科の中でも一見ブロッコリーやキャベツに似ていて、厚みのある大きな葉を広げながら育ちます。そして、その一枚一枚の葉の根元で、茎に沿って生える“わき芽”が、「芽キャベツ」です。一株から60~70球ほどの収穫ができ、欧米の市場では、株ごと売られているところもあります。ちなみに、途中までの成長過程は似ていても、種類が異なれば食べる部位も違うということで、“花のつぼみ”部分を食べるブロッコリーに、“葉”が結球したものを食べるキャベツ……と、ここまで野菜の美味しい部位を食べ分けるまでに至った人類の食への好奇心、品種の発達や改良の努力に改めて脱帽させられるのもアブラナ科野菜の特徴です。

芽キャベツの断面図は、キャベツや白菜にそっくり【写真:こばやしなつみ】
芽キャベツの断面図は、キャベツや白菜にそっくり【写真:こばやしなつみ】

 またその芽のなり方が、とても不思議で、育てていても面白い野菜のひとつですが、他の野菜にはない独特な見た目も魅力の1つです。半分に切るとその断面から見える黄緑と黄色が華やかなので、パプリカやニンジン、紫イモなどの赤紫系野菜、またハーブやスパイスと組み合わせると一層食卓が華やかになります。

 是非、食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。キャベツと違って、ナマでは食べられないので、ゆでたり、焼いたり、煮込んだりして食べます。今の季節、鍋に入れてもおいしいですよ。次回は、我が家で来客時によく作る芽キャベツの簡単レシピを紹介します。

参考:
「七訂 食品成分表 2016」(監修:香川 芳子、発行:女子栄養大学出版部)
「新版 野菜栽培の基礎」(著者:池田英男・川城英夫 他、発行:農山漁村文化協会)
日本人の食事摂取基準(厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
静岡県公式HP:http://www.pref.shizuoka.jp/j-no1/m_mecabbage.html

(こばやし なつみ)