からだ・美容
パーカーをパジャマにして首の痛みが悪化した例も 「首の痛み」を招く“うっかりやりがち”な日常生活に注意 医師が解説
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教えてくれた人:樋口 直彦
簡単なトレーニングで首回りの筋力アップ
また、首周りの筋力を強化することもおすすめです。道具を使わず、簡単にできる3種類のトレーニングを紹介します。
【アイソメトリック・ネックプレス】
1. 椅子に座るか、立って背筋を伸ばす
2. 額に手のひらを当てて、首が動かないように額と手で押し合った状態で止めて、5秒キープする
3. 続いて、後頭部に手のひらを当て、同様に後頭部と手で押し合って5秒キープする
4. 右の側頭部に手のひらを当てて、同様に手で押し合って5秒キープする。左側も同じように行う
ポイント:首は動かさずに力を入れるだけ。力加減は「軽く息ができる程度」でOK
【チン・タック(アゴ引き)】
1. 壁にもたれて立つ。後頭部、背中、おしり、かかとを壁につける
2. アゴを引いて、二重アゴを作るイメージで5秒キープ。5~10回行う
ポイント:頸部深層筋、とくに頸長筋を鍛えることで姿勢改善にも効果的。
【カプラ・リトラクション(肩甲骨引き寄せ)】
1. 背筋を伸ばして座るか、立つ
2. 肩甲骨を背中の中央にギュッと寄せる(胸を張る)。5秒キープ×10回
ポイント:首の安定性は肩甲帯の安定とも関係があるため、鍛えておくことが重要。
自律神経の乱れから「頸椎うつ」を発症することも
日々のちょっとした癖や習慣で引き起こされる首の痛みですが、慢性的になると、深刻な病を引き起こす可能性もあります。「頸椎うつ」と呼ばれるものです。
慢性的な首の痛みは、自律神経の乱れを引き起こし、うつ症状や不安障害のリスクを高めることがあります。その理由として、首回りの緊張が続くと血流が悪化し、脳への酸素供給が低下することが影響していると考えられています。
前述したストレッチなどを日々取り入れることで、頸椎うつを防ぐこともできます。姿勢や習慣で首に負担をかけないよう意識してみてください。もし、気分の落ち込みや首の痛みなど違和感が続くようであれば、医療機関を受診することをおすすめします。
(Hint-Pot編集部)
樋口 直彦(ひぐち・なおひこ)
整形外科医。帝京大学医学部卒業後、病院勤務や院長を経験。2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグのサントリーサンバーズのチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。なか整形外科 京都西院リハビリテーションクリニック院長。
