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視聴スタイルの多様化で変化も 意外に知らないテレビの裏側 4月に新番組が増える理由とは
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4月に入り、テレビでは新番組が続々とスタートしています。新たな番組を楽しんでいる人がいる一方、お気に入りの番組が終わってしまい、寂しく感じている人もいるかもしれません。この時期はどうして、新番組が増えるのでしょうか。テレビ局で働く人や元テレビマンに、改編が集中する理由や裏話についてお話を聞きました。
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「これまで観ていなかった時間帯に、テレビを観るようになる人も」
「10月にも一定数の改編は行われますが、4月が最も大きな改編期です」と話すのは、テレビ局で働いている加奈子さん(仮名)。その背景には、進学や就職など新生活が始まる時期であることが、大きく関係しているといいます。
「テレビで安定した視聴率を確保するには、継続的に番組を観る“視聴習慣”を視聴者に持ってもらうことが重要になります。4月は入学や就職、転勤・異動といった生活リズムに変化が起きやすい時期。これまで観ていなかった時間帯に、テレビを観るようになる人も増える時期でもあるんです」
生活リズムは同じでも、年度が変わると気分転換を図るため、たとえば朝のルーティンを変える一環で、支度しながらチェックする情報番組を変えたくなる人もいるでしょう。こうしたタイミングは新たな“視聴習慣”を獲得しやすく、一年で最も多くの新番組が誕生する理由になっているそうです。
ドラマにも一定の影響 逆に弱さを感じる時期が…
情報番組やバラエティなどの新番組だけでなく、基本的に3か月ごとに完結する連続ドラマも、時期的な傾向はあるようです。
元テレビマンで、現在はエンタメ系のライターとして、テレビドラマの記事を多く執筆している樹さん(仮名)は「4月スタートの春ドラマは、予算をかけた作品が出てくることが多い」と話します。ドラマもまた、新たな“視聴習慣”の獲得が大きな目的です。
「キャストや制作費の面で、4月は豪華だなと感じるものが並ぶことが多いですね。ただ、メインの出演者のスケジュールや作品内容にもよるので、必ずしも春ドラマに一番予算をかけているとは限りません」
逆に、やや弱い印象を持つケースが多いのは1月スタートの冬ドラマで、そこにも時期的な要素があるといいます。
「年末年始は特別番組が続くため、ドラマの第1話の放送日にばらつきが出るのが冬ドラマの宿命。普段なら観ていたドラマが終わり、すぐ次のドラマをチェックする流れになりますが、1月はそうなりにくいところがあります。“ドラマウォッチャー”を自称する人でも、『1月は初回を見落としがち』ということがあるほど。ただ、今は見逃しても配信がありますからね」