仕事・人生
「年齢を言い訳にするのは本当にもったいない」 元CAが合格率7%の難関突破し公認会計士に 挑戦続けるモチベーションとは
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人生は思いがけない展開の連続です。航空会社で客室乗務員(CA)を務めていた砂溜美保さんは、コロナ禍で生活が一変。それを機に一念発起し、31歳で合格率7%という「公認会計士」の試験に挑んで、合格を勝ち取りました。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。後編では、大胆なキャリアチェンジを決断した経緯や家族の支え、今後の目指す先などを伺いました。
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CAから公認会計士へ 辞める葛藤も
目的を達成するために努力を惜しまない――。
言うのは簡単ですが、誰にでもできるものではありません。「人と比べるというより、自分の伸びしろをできる限り伸ばしたい。そう思っています」という砂溜さんの言葉には、信念が表れています。
CAから、合格率7%という公認会計士試験に約3年をかけて合格し、新たな一歩を踏み出した砂溜さん。とはいえ、一般的には“憧れの職業”のひとつで、ご自身も職務に喜びを感じていたCAという仕事をスパッと辞めることに、抵抗はなかったのでしょうか。
「友人や同僚からは『すごいね』と背中を押してもらいましたが、生涯勤めると思っていたので、自分でも『後悔はないのか?』と問い続けていました。それが、休職中に短答式試験に合格できたことで『長い人生、大きく舵を切ってもいい』と。たとえダメでも後悔しないと思えたので、退職に踏み切ることができました」
ただ、CAの内定時に安心した表情を見せたご両親には、「仕事を辞めて公認会計士試験に絞ると伝える際は、申し訳ない気持ちにはなりました」と葛藤があったそうです。「ただ、両親は『CAの仕事に後悔がないなら応援するよ』と言ってくれて……。心配をかけてしまったのですが、合格発表の一日で回収できたのかなという感じです」と話します。
最も近くで見守ってくれた家族が支えに
そして、このチャレンジには夫の存在も大きかったようです。ポジティブに突き進む砂溜さんも、さすがに最初の短答式試験、そして論文式試験に不合格となったときは落胆しました。
「私が『もうダメかもしれない』なんて言うと、『やってみないとわからないよ。次は大丈夫!』と言葉をかけてくれて。一番身近にいる人なので、精神面でも支えてくれました」
国家試験に合格すると官報に掲載されますが、「私じゃなく夫が買いに行ってくれて、そのくらい喜んでくれたんです」と明かしてくれました。