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「日本のほうが弱者に優しい」 ニューヨークの華やかさに隠された現実 ホームレス増加で日本人が感じたこと
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アメリカ・ニューヨークで駐在夫、いわゆる「駐夫(ちゅうおっと)」になった編集者のユキさん。この連載では、「駐夫」としての現地での生活や、海外から見た日本の姿を紹介します。今回は、ニューヨーク市民の83人に1人ともいわれる「ホームレス」に着目しました。
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ホットドッグスタンドに1人の男が立ち入って…
小腹がすいたときによく立ち寄る、スタンディング形式のホットドッグ店があります。ホットドッグと甘いパパイヤジュースの組み合わせが絶妙で、物価の高いニューヨークでも財布に優しいのが魅力です。
いつものように店内でホットドッグを頬張っていると、お店の中に痩せ型の背の高い男性が入ってきて、スタンディングデスクに小銭をばらまきました。
「あと1ドルあれば、ホットドッグが食べられるんだ。誰か恵んでくれないか」
そう大声で叫びます。店内は10人も入ればいっぱいで、その日もカウンターには注文待ちのお客が並び、混雑していました。
カウンターの中にいる店員が「いいから出ていけ」と男に向かって言うのですが、それを無視して、私を含む店内の客に声をかけています。しばらくして、諦めたのか立ち去って行きました。
こちらでは、物乞いをする人にお金を渡す人をよく見かけます。ホームレスの手を取って、何か声をかけて喜捨する人や、自分の友人にも、ポケットの中にいつも小銭を入れておいて渡している人がいます。
キリスト教の影響もあるのかもしれません。
また、けっこう大きめの犬(毛並みもそれほど悪くなさそう)と並びながら、道行く人に声をかけるホームレスを見かけることも。観察していると、通り過ぎる人の中に、お金を渡している人がけっこういます。
お金を恵んでもらうとき、英語ではspareを使用します。「Spare change, please.(お金を恵んでください)」といった感じなのですが、日本人が受け取るニュアンスとは少し違うのかもしれません。
