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「1年分の貯金をすべて使い果たすほど、費用がかかる」 切実すぎる習い事事情 ハワイで子育てする日本人ママが驚いたこととは

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

ハワイならではの金銭的な事情が…

女の子に人気の習い事のひとつ、体操教室での一枚【写真:i-know】
女の子に人気の習い事のひとつ、体操教室での一枚【写真:i-know】

 その壁とは、“お金持ちじゃないと全国大会に出られない問題”です。

 ほとんどのスポーツは、全国大会がアメリカ本土で開催されます。そのため、離島であるハワイから全国大会に参加するとなると、必然的に飛行機を利用しなければなりません。

 息子の友達にとても体操が上手な女の子がいて、コーチからレベルの高いクラスに入るよう声をかけられたといいます。しかし、そのクラスに入るためには「アメリカ本土の大会に参加すること」「そのための費用を負担すること」が条件だと言われたそうです。結果、その子の親はレベルの高いクラスに入らせることを諦めて、別のスポーツに転向させました……。

 アメリカ本土に住んでいるご家庭は、車を7~8時間走らせて試合会場に行くことが当たり前だと聞きます。長距離移動の苦労こそあれど、陸続きならそれほどお金をかけずに大会に出場し、経験を積むことができるので、離れ小島の住人としてはうらやましい限り……。

 ハワイでも高校生ぐらいになると、チーム内の数名の親が子どもたちを引率し、アメリカ本土の大会に参加します。それでも、高校生の子どもを持つママ友は「1年分の貯金をすべて使い果たすほど費用がかかる」と、嘆いていました。

 ハワイ育ちの夫は以前、「小学生年代のスポーツは、ただ楽しむもの。勝ち負けにこだわる必要はない」と言っていました。その背景には、全国大会に行くことが難しく、上を目指しづらい事情があるのだと個人的に思います。

 さらに、スポーツのプロチームがひとつとして存在しないことも、子どもたちが将来の夢を大きく描けない理由のひとつだといわれています。

「いつか日本かアメリカ本土で、野球やサッカー、バスケットボールなどプロの試合を見せてあげたい!」……それが、小さな島に暮らす母としての私の夢です。

 次回は、お勉強&知能系の習い事についてご紹介します。

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。